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Compare 01 | Strategy

設計思想・気候戦略の比較

FIGHT vs HARNESS — JAPAN × VIETNAM HIGHLANDS

同じ設備・同じモード体系・同じ生理目標値を使いながら、日本とベトナム高原ではハウスの使い方が正反対になる。 その分岐点は「外気が敵か、味方か」。この1点から、作期・設備投資・調停の優先順位まで全てが導かれる。

01

対の設計思想

TWO PHILOSOPHIES

ベトナム高原 | 外気を取り込む

常春の高原外気はほぼ適温。換気で外気を取り込むのが基本で、M1が通年フル稼働の主役。

  • 制御の主役:M1 換気+雨季の防御 M10/M5/M9
  • エネルギー構造:南部は加温・冷房とも不要。ランニングコストは劇的に軽い
  • ハウスの役割:外気を活かしつつ雨と過湿だけを遮るフィルター

年間カレンダーのヒートマップはこの思想を可視化したもの。日本は温度系(M2/M4)が厚く、VNはM1が全月フル稼働で防御系(M10)が雨季に立ち上がる。→ カレンダー並置比較で確認

02

敵の違いと防御軸

THE ENEMY DEFINES THE SYSTEM

項目日本ベトナム高原
最大の敵 冬の低温(暖房で戦う)と盛夏の高温 雨季のスコール・多湿・低日照(5〜10月)。日本に無い軸 ✓一次
防御の主役 M4 夜温確保M2 朝の立ち上げM6 細霧 M10 スコール強制閉M5 除湿M9 補光
作期の起点 8月定植〜翌7月。厳寒期を草勢確立後に迎える設計。11月・3月が2大重要期 10〜11月定植(乾季頭)。避ける敵が冬でなく雨季のため起点が異なる ✓一次
冷房戦略 遮光28℃→換気30℃全開→冷房31〜32℃起動のカスケード+ヒステリシス。守る壁はピーク35℃(花粉)・日平均26℃(着果) 高原は35℃に届かず冷房ほぼ不要。暑い月=雨季で多湿のため細霧は効きにくく、遮光+換気が主(Grade B都市のみ軽い冷却)
日射・遮光 中緯度の日射量・日長変化。厳寒期は弱日射補正(M9) 低緯度高地は日射・UVが強く乾季晴天日は遮光(M8)の必要量が増える。日長は安定
CO₂施用 厳寒期も日射があり施用が効く 雨季は低日照でCO₂効果が薄い→補光がある時のみ継続。乾季は日本同様に有効
03

周年栽培Grade判定(VN側の設備投資判断)

GRADE — HOW MUCH FACILITY DO YOU NEED

判定基準Grade該当都市と運用
最高月平均 ≤23℃
+次世代型設備
Grade A 周年
加温不要・冷房不要
ダラット・チュモロン・マンデン・サパ(※サパのみ冬が寒くM4加温)。通年フラット運用
最高月平均 ≤25.5℃
+冷却設備
Grade B 周年
要冷却
ムカンチャイ・イエンビエン・プレイク。夏に軽い冷却または遮光強化
上記以外 乾季集中・雨季跨ぎ 周年をあきらめ乾季に集中する作型。低地は本マニュアルのスコープ外

日本にGrade判定は無い——全域で「外気と戦う」前提のため、問いは「どの設備が要るか」ではなく「燃料をどれだけ使うか」になる。北部VN(サパ・イエンビエン・ムカンチャイ)は冬≤15℃でM4加温が要り、冬は日本寄り・雨季はVNのハイブリッド。両トラックを学ぶ価値が最も高い地域。

04

変わらないもの

WHAT STAYS THE SAME

生理目標値・モード体系・調停

  • 生理目標値は地域非依存:昼23〜26℃/夜10〜12℃、飽差3〜6 g/m³、35℃花粉ライン——植物固有の値は世界共通。→ 数値比較表
  • モード体系 M1〜M11+WS は共通:違うのは各モードの稼働月と強度だけ。→ モード別比較
  • 調停5階層(T0〜T4)も共通:T0安全・防御 > T1病害回避 > T2温度死守 > T3生育最適化 > T4基本運転。VNではT0のM10が最頻で発動する点だけが違う

技術移転での使い方

  • 日本の技術者がVNを支援する時:「暖房の代わりに換気を設計する」視点の転換が最初の関門
  • VNの技術者が日本の体系を学ぶ時:モードと調停は同じなので、カレンダーの違いだけを差し替えれば良い
  • 北部VN(ハイブリッド地域)は両方の運用が必要——本比較ページ群が最も効く現場