技術マップ 📅 栽培計画シミュレーター キャベツ基本技術の習得 STEP 12 予冷・出荷・圃場リセット
STEP 12 / 12 — FINAL STEP 夏秋どり 基本技術の習得 収穫編

予冷・出荷・圃場リセット

収穫したキャベツは予冷で日持ちが3倍違います。
最終ステップでは、予冷の方式選択から、調製・規格別出荷、そして後作に向けた圃場リセットまでを学びます。 ここまで完走できれば、独力で1作期を回せるようになります。

01圃場選定 02土づくり 03育苗 04適期苗 05定植 06活着確認 07追肥① 08初期防除 09結球追肥 10盛期防除 11収穫 12予冷出荷
予冷装置
SECTION 1 — DO

やること

このステップの目標

予冷で品質保持を最大化し、後作に向けて圃場をリセットする

収穫したキャベツの球温は25〜30℃に達しており、このまま流通させると日持ちが極端に短くなります。 予冷で球温を5℃前後まで急速冷却することで、日持ち2〜3倍を実現。さらに圃場のリセットで、次作の連作障害を未然に防ぎます。

❄ 予冷方式の選択

真空予冷
◎ 真空予冷

30〜40分で完了

  • 球温25℃→5℃を30〜40分で
  • 大規模・JA共撰センター標準
  • 業務用流通必須
  • 初期投資 高(数千万円)
差圧予冷
◎ 差圧予冷

2〜4時間で完了

  • 球温25℃→5℃を2〜4時間で
  • 中規模向け(300〜600万円)
  • Stage 2〜3 の標準
  • 個人法人で導入しやすい
強制風冷
△ 強制風冷

6〜12時間で完了

  • 球温25℃→8〜10℃程度まで
  • 小規模向け・低投資
  • 真空・差圧より効果限定
  • Stage 1 の選択肢

📏 予冷・貯蔵・出荷の数値基準

予冷後球温
0〜5℃
流通可能温度
貯蔵湿度
95%以上
乾燥防止
適切貯蔵
2〜3ヶ月
夏秋は短期
日持ち倍率
予冷有/無で 3倍
流通価値
予冷開始時間
収穫後 3時間以内
早いほど良い

📦 出荷規格と調製

選果・調製
GRADING
外葉除去と選果step12_grading.jpg

✅ 出荷規格(夏秋どり標準)

  • L規格:900g〜1.2kg(8玉入り段ボール)
  • M規格:800g〜900g
  • 業務用:10kg コンテナ詰め(規格緩め)
  • 外葉2〜3枚残し(鮮度感)
  • 切り口を清潔に整える
  • 外葉除去機があれば省力化

🌾 圃場リセット(後作準備)

収穫後の圃場処理4ステップ

  1. 残渣処理:収穫後の外葉・株元を圃場外搬出。罹病株は焼却処分。残渣を圃場に残すと連作障害・病害伝染の原因に。
  2. 緑肥導入:ソルゴー・エンバク・ヘアリーベッチなどを播種。土壌物理性の改善と養分補給。
  3. 土壌診断:年1回必須。pH・EC・養分残量を測定し、次作の施肥設計に反映。
  4. 輪作計画:キャベツ連作は2〜3年避ける。麦・大豆・トウモロコシ・レタスなどを組み合わせる。
👁
SECTION 2 — JUDGE

判断ポイント

📋 予冷・出荷チェックリスト

  • 収穫後3時間以内に予冷を開始した
  • 球温が5℃前後まで下がっている
  • 外葉2〜3枚を残して調製した
  • 規格別に選果している(L・M・業務用)
  • 切り口が清潔で土が付着していない
  • 球頂を上向きにコンテナ詰めしている

🌾 圃場リセットチェックリスト

  • 残渣を圃場外搬出した(罹病株は焼却)
  • 緑肥種子を準備または播種した
  • 土壌診断を実施 or 予約した
  • 次作の輪作計画を立てた(キャベツ連作回避)
💡 ベテランのコツ:予冷の有無で日持ちが3倍変わる。 Stage 1 で予冷装置を持たない場合も、収穫後の球を木陰で扇風機による風冷するだけで効果がある。 何もしないで直射日光下に置くのとは雲泥の差
SECTION 3 — FAIL PATTERNS

よくある失敗

FAIL CASE 01

予冷を省略して日持ち低下

「予冷の必要性を理解せず、収穫後そのままトラック積み込み。流通中に品質低下し、市場でクレーム発生。

原則収穫後3時間以内の予冷が品質保持の鉄則。装置がなくても木陰での風冷だけでも実施する。
FAIL CASE 02

収穫から予冷までの時間が空く

朝6時に収穫した球を、午後2時まで圃場に放置。球温が30℃を超え、予冷しても日持ちが取り戻せず。

原則:収穫→予冷の動線を最短化。コンテナを直射日光から遮蔽し、速やかに予冷庫へ。
FAIL CASE 03

規格を無視してロット混在

「面倒だから」とL・M規格を混ぜて出荷。市場で「規格揃いが悪い」と評価され、単価が下がった。

原則規格別に分けて出荷。重量・サイズで明確に区別する。
FAIL CASE 04

残渣を圃場に残して連作障害

収穫後の外葉・株元を圃場に鋤き込んで「肥料にする」と判断。翌年同じ畝で根こぶ病が大発生した。

原則:キャベツ残渣は圃場外搬出が原則。連作障害・病害伝染を防ぐ。
FAIL CASE 05

輪作計画なしで連作障害

同じ圃場でキャベツを3年連作したら、根こぶ病が深刻化して全滅。土壌くん蒸が必要になった。

原則キャベツ連作は最大2年。3年目以降は麦・大豆・レタスなどを挟む。緑肥導入で土壌をリセット。
FAIL CASE 06

土壌診断を省略して施肥バランス崩壊

収穫後の土壌診断を省略し、毎年同じ施肥を続けた結果、加里過剰・カルシウム不足が進行。次作で生理障害が多発。

原則収穫後の土壌診断は年1回必須。次作の施肥設計に必ず反映する。
🎉

基本技術の習得完走おめでとうございます!

12ステップを学び終え、夏秋どりキャベツ栽培の1作期完走に必要な知識と判断力を身につけました。
ここからは実践で経験を積み、次作・次々作と回数を重ねることで、より深い熟練に至ります。

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🚀 次のステップ:基本技術の習得を完走したら、次は他の作型(冬春どり・春どり)への展開や、機械化体系の検討に進みましょう。 共通技術は80%流用可能で、作型特有の追加学習だけで対応できます。 規模拡大を考えるなら機械化体系マップを参照ください。