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運転モードライブラリ

Operating Mode Library — coordination, exclusion, transition

ベトナム高原版 | 常春二季

外気を取り込む

日中22〜25℃が作物適温とほぼ一致。換気の開度日射・降雨への対応が制御の本質になる。

設備は個別にではなく、季節×目的で束ねた運転モード単位で設定する。各モードは同じ6項目 (目的/使用設備/協調シーケンス/排他・禁止/切替条件/失敗パターン)で記述。 数値(換気開始温度・夜温・EC段階など)は作物別シート(例:トマト)が供給し、本ページは枠組みを定義する。 設備番号は設備体系ページのピンに対応。

profile方式:気候差は原則モードを分けず、1モード内のプロファイル(active/passive など)で表す。 目的が同じものは統合(夜温確保(暖房+夜間保温を統合)、朝の立ち上げ(朝方変温+朝霧結露を統合))。朝の立ち上げ(M2)と夕方の切り替え(M3)が対をなす。構成は11モード+横断サブシステム1
調停:1つの設備を複数モードが奪い合う際の所有権・優先順位設定手順ページのインターロック章で定義する(M10強制閉が最優先)。

00

モード索引

Index — applicability by version

モード日本版VN高原版主な役割
M1換気主体(基本)◎ 年間主役自然換気で適温維持
M2朝の立ち上げ◎ 変温○ 軽夜→日中の温度・光の立ち上げ
M3夕方の切り替え(QD)◎ 毎日○ 雨季夕日中→夜の移行(M2の対)
M4夜温確保◎ 断熱夜温下限の確保(熱源/断熱)
M5除湿・病害抑制◎ 夜・朝◎ 雨季・朝霧飽差下限の死守+朝の結露除去
M6夏季冷房・細霧型開放型 気化冷却
M7夏季冷房・パッド&ファン型密閉型 一方向気流
M8強日射管理△ 盛夏日射トリガー遮光
M9弱日射・補光暫定◎ 厳寒期◎ 雨季弱日射の補正/補光
M10スコール・暴風雨防御○ 台風◎ 雨季毎日強制閉の最優先割込
M11停電フェールセーフ◎ 独立章無電源時の安全位置
潅水潅水・施肥運用横断・暫定共通共通モードの最中に走る給液ロジック

主要モード / 限定的に使用 / 改修・縮小して使用 / 不要 / 暫定 独立サブシステム化を運用シーンで再判断。作物例=トマト(長期多段どり)。

01

モード定義

Standard format ×11 + cross-cutting subsystem

M1

換気主体モード(基本)

Natural ventilation — base mode
日本VN高原◎ 年間主役
目的と適用条件

自然換気を主手段に日中目標温度・飽差を維持、循環扇でムラを解消。蒸散の増減は日射比例潅水(→潅水運用)で吸収する。 春秋の基本。冬はM4、盛夏はM6/M7/M8へ譲る。 VN高原年間の基本モード。日中外気がトマト適温と一致するため、開度調整そのものが主作業。

協調シーケンス(日の出基準)
  1. 日の出前:窓閉・循環扇低速(結露予防 → M2へ接続)
  2. 日の出〜立ち上がり:窓閉のままCO₂施用 → 換気開始温度到達で天窓を比例開
  3. 日中ピーク:室温・日射・飽差で天窓開度を比例制御、不足なら側窓追加、循環扇連続
  4. 午後〜日没前:室温低下で順次閉、CO₂再施用の機会
  5. 日没後:夜温確保(M4)へ引き継ぎ

VN高原防虫ネット(0.4mm目合い等)必須で換気能力が3〜5割低下。天窓開度を大きめに、または側窓を早めに併用する圧損補正が必須。

排他・禁止
  • 温度目的の換気とM4の暖房は同時併用しない(換気開始で暖房OFF)
  • 細霧(M6)併用は可。パッド&ファン(M7)とは排他(開放型 vs 密閉型)
  • CO₂施用中の換気禁止(施用は窓閉時のみ)
  • 降雨・強風時はM10強制閉が最優先で割り込む
切替条件
遷移先条件日本VN高原
M4日没・夜温低下季節遷移乾季夜は毎日
M8換気で温度可でも日射過剰盛夏のみ乾季晴天日に頻繁
M9日射が下限を下回る曇天連続雨季
M6/M7換気で高温を抑えられない盛夏ほぼ不要
M10降雨・風速閾値超台風時雨季午後 M1→M10→M1
M5飽差下限割れ・過湿梅雨雨季夜
失敗パターン(トマト)
  • 換気不足で日中30℃超 → 着果不良・花粉稔性低下〔盛夏に粘りすぎ/VNネット圧損見落とし〕
  • 急開放で飽差急上昇 → 萎れ → Ca転流不足 → 尻腐れ果
  • 循環扇なしで温度ムラ/換気と潅水の不連動で水ストレス
M2

朝の立ち上げモード

Morning start-up — temperature & light ramp
日本◎ 変温VN高原○ 軽
目的と適用条件

夜温管理(M4)から日中換気(M1)への温度・光の移行を最適化し、午前の光合成立ち上がりを最大化する。朝の結露対策は病害管理としてM5(局面B)に分離し、本モードは温度・光・CO₂に専念する。 予備加温+変温+CO₂のフル運用。VN高原常春で予備加温の必要性は低く、CO₂施用タイミングと換気開始が中心の軽い運用。結露がある朝はM5を先行させてから本モードへ。

協調シーケンス(日の出基準)
  1. (日本)日の出1〜2時間前から徐々に昇温(急変回避)。VNは省略可
  2. 循環扇で温度ムラを解消しつつ採光のためカーテンを開く(結露がある朝は開タイミングをM5に従う)
  3. 日射立ち上がりでCO₂施用開始(窓閉のまま)
  4. 室温上昇で天窓を比例開 → 換気主体(M1)へ

段階加温(例:1時間で2℃以内)は予防的な結露防止でもある(被覆・葉を冷えすぎさせず露点割れを避ける)。これはM5局面Bの「既に生じた結露を乾かす」curative とは機構が違う。予防=本モード(加温)、除去=M5(乾燥)。

排他・禁止
  • 急激な変温は結露・ストレスの原因 → 段階昇温
  • CO₂施用中は窓閉(換気開始でCO₂停止)
  • 朝の結露が残る間は、CO₂のための窓閉よりM5の乾燥を優先(病害回避が先)
切替条件
  • 結露がある朝 → 先に M5(局面B)
  • 立ち上げ完了・室温上昇 → M1
  • 夜へ戻る → M4
失敗パターン(トマト)
  • CO₂施用遅れで午前の光合成ロス
  • 急加温で結露・病害誘発
  • 結露が残るうちにCO₂目的で窓を閉め、過湿で病害(M5を飛ばした弊害)
M3

夕方の切り替えモード(プレナイト)

Evening transition / Quick Drop — pairs with M2
日本◎ QD毎日VN高原○ 雨季夕
目的と適用条件

日中(M1)から夜(M4)への移行を最適化する、朝の立ち上げ(M2)の対。QD(クイックドロップ)=日没前の強換気で室温を急降下させ、(a)果実への転流促進(質量の小さい葉から冷え果実が最後に下がる→炭水化物が果実へ集中=肥大・糖度)、(b)無駄な呼吸の抑制、(c)就寝前の除湿(早朝結露・灰色かび予防)を同時に得る。 QDを毎日実施(11月は特に重要)。VN高原雨季の夕方に「カーテン閉前の除湿換気」として軽く使う。乾季は単純にカーテン閉でM4へ。

シミュレーションで判明した追加:従来モードに朝の立ち上げ(M2)はあったが夕方の切り替えが欠落していた。日本の長期多段どりで毎日行うQDがどのモードにも入らず運用が破綻するため、朝の立ち上げ(M2)と対称の位置(日中→夜の境目)に新設した。

プロファイル比較
観点QD(日本標準)夕方除湿(VN高原・雨季)
主目的果実への転流促進(肥大・糖度)+呼吸抑制+就寝前除湿夜間多湿の持ち込み回避
主手段日没30〜60分前の強換気で急降下カーテン閉前のわずかな除湿換気
強度強(意図的なオーバー換気)弱〜中
主な失敗弱草勢株への多用で樹がさらに弱る除湿せず密閉して夜間多湿
協調シーケンス(日没基準)
QD profile(日本)
  1. 日没30〜60分前に天窓・側窓を強めに開け、室温・湿度を急降下
  2. 循環扇で攪拌し均一に下げる(草勢の弱い株が多い圃場では強度を落とす)
  3. 日没でカーテンを展開し夜温確保(M4)へ引き継ぎ
夕方除湿 profile(VN高原・雨季)
  1. 夕方、カーテンを閉じる前にわずかに除湿換気して湿気を出す
  2. カーテン閉 → 夜温保持(M4 passive)へ
排他・禁止
  • 弱草勢株へのQD多用は禁物(生殖に振りすぎ樹がさらに弱る)。草勢確認が前提
  • 低温期はQDで冷やしすぎ注意(夜温下限を割らない範囲で)
  • QD後すぐ密閉すると再加湿 → 攪拌・湿度低下を見届けてから閉
切替条件
  • 日没・夜温帯入り → M4
  • 翌朝 → M2(結露あれば先に M5
失敗パターン(トマト)
  • 弱草勢でQDを多用 → 樹がさらに弱る・収量低下
  • 除湿せず密閉 → 夜間多湿で灰色かび
  • QDで冷やしすぎ → 夜温低下・生育停滞
M4

夜温確保モード

Night temperature assurance(旧 暖房+夜間保温を統合)
日本◎ 熱源VN高原◎ 断熱
目的と適用条件

日没後〜日の出前に夜温の下限を確保する。目的は共通で、手段(熱源か断熱か)は施設の投資段階で選ぶ。日本は暖房を主役にする active heat、VN高原は本格暖房が不要なためカーテン断熱を主役にする passive insulation。Level 1→3 の段階投資(カーテンのみ→補助暖房→本格暖房)はこのプロファイル軸の上を移動する。

プロファイル比較
観点active heat(日本標準)passive insulation(VN高原・低投資)
主手段暖房機(温風/温湯/HP)保温カーテン(多層)
補助カーテン併用で燃費低減小型HP・温風で微加温
夜温の作り方設定温度で能動制御放熱を抑え外気+αで保持
設備投資大(熱源・燃料系)小(カーテン中心)
主な失敗燃料浪費・夜温下げすぎ・締切過湿カーテン閉遅れで夜温低下・締切過湿

active と passive は二者択一ではなく積み重ね:passive(カーテン断熱)が土台で、その上に必要な分だけ active(暖房)を足す。日本の標準は「多層カーテン+暖房」の併用であり、表は主役の置き方の違いを示す。Level 1→3 はこの軸を下から上へ移動する。

協調シーケンス(日没基準)
  1. 日没前にカーテン展開(放射冷却前に断熱を確保)
  2. 夜温下限を維持 — active:設定温度で暖房/passive:放熱抑制+必要時のみ微加温
  3. 循環扇で垂直温度差を解消
  4. 日の出前 → 朝の立ち上げ(M2)へ引き継ぎ
  5. 換気開始温度に到達 → 換気主体(M1)へ
排他・禁止
  • 修正温度目的の換気は禁止(熱・断熱を捨てる)。ただし除湿目的の最小換気(暖房+わずか換気=除湿換気)は併用可(M5と整合)。「換気=一律禁止」ではない。
  • カーテン閉×加湿(細霧M6)は多湿停滞で病害
  • CO₂施用は窓閉時間帯のみ
切替条件
  • 日射上昇・室温上昇 → M1(朝は M5M2 を経由)
  • 飽差下限割れ・過湿 → M5
失敗パターン(トマト)
  • 燃料浪費/夜温の下げすぎ/締め切り過湿で灰色かび
  • passiveカーテン閉の遅れで夜温低下→生育停滞/締め切りで朝の結露増(M5の朝結露へ的確に渡す)

夜温下限はトマトシートで確定。長期多段どりの厳寒期は夜10〜12℃が標準(一次情報で確認済み)で、生殖生長へ振る意図的な設定。下限の壁は別軸で、花器は2℃前後・生育は5℃以下で低温障害。さらに精緻には夕方やや高め13〜15℃(転流促進)→深夜10℃の多段夜温も可。

M5

除湿・病害抑制モード

Humidity & disease control(夜間除湿+朝の結露除去)
日本◎ 夜・朝VN高原◎ 雨季・朝霧
目的と適用条件

過湿・葉面結露による灰色かび・べと病を抑える。夜間の過湿朝の結露という時間帯の違う2局面を、同じ「病害につながる水を管理する」目的でひとつにまとめる。 梅雨の夜間+曇天朝の結露。VN高原雨季は夜も90%超で常用、乾季は朝霧・放射冷却の結露が主。

設計メモ(A観点):朝の結露を独立した「朝モード」として切り出す設計思想もある(旧・朝霧モード)。本マニュアルでは病害管理の一局面としてM5に統合し、温度・光の立ち上げ(M2)と役割を分けた。こうすると朝の「窓を開けて乾かす(M5)」と「窓を閉めてCO₂(M2)」の競合を時系列で整理しやすい(結露を乾かしてから立ち上げへ渡す)。結露を独立要素として扱いたい施設では、この局面Bだけを切り出して別モード化できる。

協調シーケンス
局面A:夜間除湿
  1. 夜間、飽差を監視
  2. 下限割れでHP除湿運転、または暖房昇温+わずかな換気(除湿換気)
  3. 循環扇を連続運転し葉面の境界層を更新
局面B:朝の結露除去 朝の立ち上げから移設・開順序
  1. 日の出前後に循環扇を起動し葉面境界層を更新(必要なら微除湿を先行)
  2. 被覆が温まってからカーテンを開く(早すぎる開は冷たい屋根面からの滴下リスク)
  3. わずかに換気して湿気を排出
  4. 葉面の乾燥を確認 → 温度・光の立ち上げ(M2)へ渡す
排他・禁止
  • 加湿系(細霧M6・パッドM7)との同時運転禁止
  • 締め切り過湿の放置禁止(最小換気か除湿を必ず併走)
  • 結露中の急換気は冷気流入で結露を助長 → 段階的に
切替条件
  • 夜間(局面A)→ 朝(局面B)へ連続
  • 葉が乾き昇温 → M2(立ち上げ)→ M1
  • 日中・飽差回復 → M1
失敗パターン(トマト)
  • 飽差下限の放置 → 灰色かび・葉かびの蔓延
  • 過剰除湿で乾燥ストレス・Ca欠
  • カーテン早開きで屋根面の滴下/換気早すぎで冷却助長し結露が長引く
M6

夏季冷房モード・細霧型

Summer cooling — fog (open type)
日本VN高原
目的と適用条件

遮光+天窓全開+細霧+循環扇の開放型協調で換気しながら気化冷却する。VN高原は日中遮光換気で足りるため基本不要。

協調シーケンス
  1. 高温域で遮光カーテン展開
  2. 天窓・側窓を全開
  3. 室温/飽差の上限で細霧を間欠ON
  4. 循環扇連続で霧と気流を分散
排他・禁止
  • パッド&ファン(M7)と排他(開放 vs 密閉)
  • 細霧×カーテン閉=多湿停滞で病害。葉濡れ過多に注意
  • 外気が多湿(湿球温度高)のときは効かない
切替条件
  • 限界高温・作業困難 → M8遮光強化/作業中断
  • 夕方の気温低下 → M1
失敗パターン(トマト)
  • 噴霧過多で葉濡れ → 病害
  • ノズル詰まり・スケールで能力低下
  • 多湿時に運転し冷えず多湿だけ悪化
M7

夏季冷房モード・パッド&ファン型

Summer cooling — pad & fan (closed type)
日本VN高原
目的と適用条件

窓を強制閉し、パッド給水+ファン台数制御で密閉・一方向気流を作り、乾いた外気で気化冷却する。大規模軒高ハウス向け。VN高原は対象外。

協調シーケンス(段階制御)
  1. 窓の閉鎖を確認(開いていると気流ショートで冷えない)
  2. 冷房開始温度でファン低速起動
  3. 温度上昇に従いファン増段
  4. パッド給水ポンプON(循環水ブロー管理)
排他・禁止
  • 窓開放と両立しない。換気主体(M1)・細霧(M6)と排他
  • 降雨時・高外気湿度時は給水停止
  • ポンプ空転防止(給水断検知)
切替条件
  • 外気湿球温度が高い時間帯は能力低下 → M6または遮光換気
失敗パターン(トマト)
  • 給水断でただの換気扇化
  • パッドのスケール・藻で能力低下
  • 窓の閉め忘れで冷房効率が壊滅
M8

強日射管理モード

High-irradiance management (irradiance-triggered shading)
日本△ 盛夏VN高原
目的と適用条件

低緯度×高標高の強日射による葉焼け・果実日焼け・急蒸散を回避。要点は温度ではなく日射をトリガーに遮光を動かすこと。「温度は適正なのに日射だけ強い」という日本にない状況に対応する。弱日射側はM9が対をなす。

協調シーケンス
  1. 日射が閾値を超えたら遮光カーテンを比例展開(室温が適正でも作動)
  2. 日射比例潅水を増量補正し蒸散ストレスを緩和
  3. 日射低下で遮光を戻す → M1へ
排他・禁止
  • 遮光しすぎは光合成低下とのトレードオフ
  • 温度トリガー遮光と混同しない(本モードは日射トリガー)
切替条件
  • 日射低下 → M1(弱日射が続く場合は M1 を経由して M9 へ)
失敗パターン(トマト)
  • 遮光の遅れで果実日焼け
  • 潅水増量補正の不足で萎れ → 尻腐れ(Ca欠)
  • 遮光過多で着色不良・徒長
M9

弱日射・補光モード

Low-irradiance / supplemental light
日本◎ 厳寒期VN高原◎ 雨季暫定
目的と適用条件

日照不足下で光合成低下に合わせて環境を補正する、強日射管理(M8)の対極。 冬の日照不足・曇天連続。VN高原雨季の日射低下で着果・肥大が乱れる局面。

扱いは暫定:補光(LED)まで踏み込む完全版か、補光なしの「弱日射時の補正運用」に留めるかは運用シーンで再判断。潅水運用との統合(独立サブシステム化)も含めて確定する。本稿は両にらみで記述。

使用設備と役割
協調シーケンス
  1. 日射が下限閾値を下回る
  2. (補光ありなら)補光ON / なければ以下の補正のみ
  3. 日射比例潅水を減量補正(蒸散減に合わせ過湿回避)
  4. CO₂は補光の有無で分岐:補光ありは継続(光が確保され施用効果が戻る。厳寒期は空洞果・尖り果予防の生命線)/補光なしの暗い日中のみ抑制(効果薄く浪費)
  5. 湿度管理は最小換気+循環扇でM5寄りに

12〜2月の年間最低日射期。曇天続き・目標収量割れなら早朝補光を投資判断(Level 3)。補光時のCO₂停止は空洞果を招くため厳禁。EC は蒸散減で2.5〜3.0へ引き上げ(数値はトマトシート)。

排他・禁止
  • 補光なしの暗黒下でのCO₂大量施用は浪費。ただし補光ありなら継続が正解(混同しない)
  • 潅水を晴天時のまま継続すると過湿・根傷み
切替条件
  • 日射回復 → M1
  • 過湿進行 → M5
失敗パターン(トマト)
  • 日照不足で着果不良・落花
  • 潅水を減量せず過湿 → 疫病・根腐れ
  • 補光時にCO₂を止めて空洞果・尖り果(厳寒期の典型)
  • 軟弱徒長
M10

スコール・暴風雨防御モード

Squall & storm protection
日本○ 台風VN高原◎ 雨季毎日
目的と適用条件

降雨・風速の検知で天窓・側窓を強制閉し、吹き込みと破損から守る最優先の割り込みモード台風時の臨時。VN高原雨季の午後はほぼ毎日 M1→M10→M1 のサイクルで発動する。

協調シーケンス
  1. 降雨検知 or 風速閾値超を検出
  2. 進行中の換気指令に最優先で割り込み、全窓を強制閉
  3. 排水系統の通水を確認(停滞水の防止)
  4. 降雨停止+一定時間で解除 → 元モード(M1等)へ復帰
排他・禁止
  • 他モードの換気指令に無条件で優先する(調停の最上位)
  • 閉鎖中の高温に注意(短時間前提)
切替条件
  • M1/M5などから割り込み発動 → 解除で元モードへ復帰
失敗パターン(トマト)
  • 検知遅れで吹き込み → 裂果・濡れによる疫病
  • 閉鎖の長期化で蒸れ
  • 排水不良で停滞水 → 疫病・根傷み
M11

停電・電圧変動フェールセーフ

Power-failure fail-safe
日本VN高原◎ 独立章
目的と適用条件

停電・電圧異常時のアクチュエータ安全位置と、復電時の自動復帰手順を定める。VN高原農村部は停電が珍しくないため日本版より格上げし、独立章として扱う。

フェールセーフ方向の決め方 修正

「開固定が基本」と一律に決めない。方向は次の2点で施設・季節ごとに設計する:

  • (a) アクチュエータのハード仕様 — 無電源で動けるか(重力/バネ復帰)か、電動のみでその場停止か。動けない機種は「停電時にどの位置で止まるか」を設計時に把握する。
  • (b) その施設・季節で勝つリスク — 日中高温死が支配的なら開方向、雨季ダラットの降雨吹き込みが支配的なら閉方向もありうる。
協調シーケンス
  1. 停電検知 → 事前に定めたフェールセーフ位置へ(動力がなければ現状で停止)
  2. 降雨中・夜間・低温など条件を加味(M10と整合)
  3. 警報通報(管理者へ)
  4. 復電 → 一斉復帰せず段階起動(突入電流回避)→ 安全確認後に元モードへ

VN高原発電機・UPSの優先給電順位(例:潅水ポンプ>制御盤>換気)を施設ごとに定める。

排他・禁止
  • 復電時の全機器一斉起動は禁止(ブレーカ落ち・二次停電)
失敗パターン(トマト)
  • 想定と違うフェールセーフ位置で日中高温死 or 降雨吹き込み
  • 復電一斉起動でブレーカ落ち
潅水運用

潅水・施肥運用(横断サブシステム)

Irrigation & fertigation — cross-cutting
全モード共通配置 暫定
位置づけ

これは気候モードと並ぶというより、多くのモードの“最中”に走る横断サブシステム。 独立文書にするか各モードに折り込むかは運用シーンで確定する(暫定的にここへ集約)。固有の時間設計はどのモードでも共通して必要になる。

固有の時間設計(モード非依存)
  • 潅水開始:日の出後、日射積算が閾値に達してから(朝一番の根域過湿を回避)
  • 潅水終了:日没前に終える(夜間の根域停滞を回避)
  • 日射比例:1MJ/m²あたりの給液量 × 生育ステージ係数
  • 夜間:原則停止(高温夜など特殊時を除く)
  • EC段階・pH・排液率目標:数値はトマトシートで確定(培地栽培の排液率15〜25%等)
モード連携
連携先潅水側の動作
M1 換気蒸散増 → 日射比例で増量(連動の心臓部)
M8 強日射増量補正(萎れ・尻腐れ回避)
M9 弱日射減量補正(過湿回避)
M4夜温/M2夜間停止・朝の開始タイミング
排他・禁止
  • 排液過少で塩類集積/排液過多で養水分の浪費
  • 朝の早すぎる潅水で根域過湿
失敗パターン(トマト)
  • 増減補正の不連動で萎れ/過湿
  • EC管理不良で尻腐れ(Ca欠)・裂果
  • 排液監視を怠り塩類集積