圃場が決まったら、次は「キャベツに適した土」を作る段階です。
キャベツ栽培の最重要ポイントは pH 管理。pH 6.5〜7.0 を保つことで、根こぶ病の発生リスクを大幅に抑え、養分吸収を最適化します。
この STEP で1作期全体の生育の土台が決まります。
定植2週間前までに完了:pH調整・基肥施用・耕起・畝立ての4工程
定植2週間前までに、土壌診断 → pH調整 → 基肥施用 → 耕起 → 畝立て の5工程を完了させます。 特に pH 管理は根こぶ病対策の第一防衛線。pH 6.0 以下では根こぶ病の発生リスクが急増するため、絶対に妥協できないポイントです。
| 成分 | 基肥量 | 資材例 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 窒素 (N) | 10〜15 kg/10a | 尿素・硫安・緩効性配合 | 茎葉の生育 |
| りん酸 (P₂O₅) | 20 kg/10a | 過リン酸石灰・熔リン | 根張り促進 |
| 加里 (K₂O) | 10〜15 kg/10a | 塩化加里・硫酸加里 | 球の充実・耐病性 |
| 苦土 (MgO) | 3〜5 kg/10a | 苦土石灰で同時補給 | 葉色・光合成 |
※ 緩効性肥料:速効性 = 50:50 が標準。土壌診断結果に応じて調整。
土づくりの成否は「土壌診断」と「目視判断」の組み合わせで決まります。 JA・農協・農業改良普及センターで土壌診断を依頼すると、5,000〜10,000円程度で詳細なデータが得られます。年1回は必ず実施することを推奨します。
土づくりの失敗は、目に見えにくく結球期になって初めて症状が現れることが多いです。 この時点で気づいてもリカバリが困難なため、事前の準備が決定的に重要です。
土壌診断を省略し、前年の肥料を基準に基肥を投入。pH 5.5 のまま定植したところ、定植50日後から根こぶ病が圃場全体に広がり、出荷球率が40%まで低下した。
「pH を上げるほど良い」と消石灰を200kg/10a 投入。pH が 7.8 まで上昇し、ホウ素・鉄・マンガンの吸収が阻害され、結球期に心腐れ症(ホウ素欠乏症)が発生。
「大きく育てたい」と窒素を 25kg/10a 投入。結球期に肥効が残り、急激な葉伸長で裂球が多発。25%が出荷不能となった。
前作の機械作業跡で硬盤層ができた圃場を、表層 15cm だけ耕起して定植。根が深く伸びず、夏の乾燥期にチップバーン多発。
重粘土壌の圃場で畝高 10cm の低畝で定植。6月の梅雨で畝間に水が溜まり、根が傷んで黒腐病が広範囲に発生。
時間がないため基肥施用の翌日に定植を強行。肥料がなじむ前に苗が肥焼けを起こし、活着が大幅に遅れた。