技術マップ 📅 栽培計画シミュレーター キャベツ基本技術の習得 STEP 04 定植適期苗の見極め
STEP 04 / 12 夏秋どり 基本技術の習得 定植編

定植適期苗の見極め

キャベツ栽培で「収量を決める最初の分岐点」が、苗の状態です。
本葉4〜5枚・草丈10〜15cm・根がセル底に白く張っている状態が定植適期。 ここを外すと、活着不良・初期生育の遅れ・最終収量の低下に直結します。

01圃場選定 02土づくり 03育苗 04適期苗 05定植 06活着確認 07追肥① 08初期防除 09結球追肥 10盛期防除 11収穫 12予冷出荷
定植適期苗のクローズアップ

定植適期苗:本葉4〜5枚・草丈10〜15cm・根がセル底に白く張った状態

SECTION 1 — DO

やること

このステップの目標

「定植してよい苗」と「待つべき苗」を5秒で判断できるようになる

苗箱を見て、定植可能なセルと、もう数日育苗が必要なセルを瞬時に分類できれば、定植作業の効率と均一性が大きく向上します。 判断軸は本葉枚数・草丈・茎の太さ・根の張りの4点だけです。

📏 定植適期の数値基準

本葉枚数
4〜5枚
子葉は数えない
草丈
10〜15cm
セル上面からの高さ
茎の太さ
3〜4mm
鉛筆の芯ほど
根張り
セル底白根
引き抜いて崩れない
育苗日数
25〜35日
夏播きは短め

🌱 苗の状態を見極める4つの観察ポイント

定植適期苗
◎ 定植適期

これが定植OKの苗

  • 本葉4〜5枚展開
  • 草丈10〜15cm
  • 節間が詰まりがっしり
  • 葉色濃緑・厚みあり
若苗
△ 待つべき(あと3〜5日)

定植にはまだ早い

  • 本葉2〜3枚のみ
  • 草丈7cm未満
  • 根がセル底まで未到達
  • 定植すると活着遅れ
老化苗
✕ 定植不可(廃棄)

育苗期間が長すぎた

  • 本葉6枚以上展開
  • 下葉が黄化・落葉
  • 根がセル内で老化
  • 定植後生育停滞長期化
徒長苗
✕ 定植不可(廃棄)

高温・過湿で徒長

  • 草丈18cm超・ヒョロ長い
  • 茎が細く倒れやすい
  • 葉色淡緑・薄い
  • 強風で折れるリスク
👁
SECTION 2 — JUDGE

判断ポイント

数値基準だけでなく、「指の感覚」と「根の状態」で最終判断します。経験浅い段階では、必ずセルから1株抜いて根を確認する習慣をつけてください。

良い根張り
ROOT|良い根張り
セル底に白根が回り込んだ状態 step04_root_good.jpg

✅ 良い根張り

  • セルを軽く押すと培土ごとスポッと抜ける
  • セル底面に白い根が回り込んでいる
  • 根鉢が崩れずまとまっている
  • 培土の隙間に根が密に張る
  • 定植後の活着が早く、初期生育が安定
悪い根張り
ROOT|悪い根張り
根が回らずぐずぐず崩れる step04_root_poor.jpg

✕ 悪い根張り

  • セルから抜くと培土がぼろぼろ崩れる
  • 根がセル底まで達していない
  • または逆に根が黒く老化している
  • 定植時の植え傷みを起こしやすい
  • 活着まで7日以上かかり、収量に影響

📋 定植前チェックリスト(5項目すべてYESで定植OK)

  • 本葉が4〜5枚展開している(子葉を除いた数)
  • 草丈が10〜15cmに収まっている(18cm超は徒長)
  • 茎を指で挟むと弾力があり、根元が太い(3〜4mm以上)
  • 1株抜いて根鉢が崩れず白根が回っている
  • 下葉が黄化していない・病害虫の食害痕がない
💡 ベテランのコツ:苗箱全体を見て「7割以上のセルが適期に達している」なら定植開始。 残りの3割はもう数日育苗して追定植する方が、全体の生育が揃います。 無理に全部を一度に定植すると、若苗が遅れて生育バラつきの原因になります。
SECTION 3 — FAIL PATTERNS

よくある失敗

経験浅い生産者が定植段階でやりがちな失敗を、原因と対処法とセットで整理します。 多くは「数日待てなかった」「数日早く定植してしまった」という時間判断のミスです。

FAIL CASE 01

若苗で定植してしまった

畑の準備が先に終わり、「早く植えたい」気持ちから本葉3枚で定植。 活着までに10日以上かかり、初期生育が大きく遅れて隣接株とのバラつきが発生。

リカバリ:定植5〜7日後の追肥①を液肥(リン酸主体)に切り替えて根張りを促進。生育遅れは追肥②までに概ね回復可能。
FAIL CASE 02

老化苗を強行定植した

天候不良で定植が遅れ、本葉7枚・草丈20cm超になってから定植。 根がセル内で老化しており、活着後も生育が伸び悩む。最終球重が0.8kg止まりに。

リカバリ:困難。下葉処理(黄化葉除去)と液肥で延命するが、収量30〜40%減は覚悟。次作からは育苗開始日を後ろ倒しに調整。
FAIL CASE 03

徒長苗の処理に迷う

ハウスの温度管理が不十分で、夏播き苗が18cm以上に徒長。 そのまま定植すると風で倒れ、深植えすると生長点埋没のリスク。

リカバリ:少しでも深植えにする+活着まで支柱で固定。次作はハウス遮光(30〜50%)と夜温管理(10〜15℃)を徹底。
FAIL CASE 04

セル全体を一括定植して生育バラつき

適期セルと若苗セルが混在しているのに、効率を優先して一括定植。 結果、収穫期が10日以上ずれて、出荷ロット組成が困難に。

リカバリ:困難。次作からは「7割適期で一次定植、残り3割は5日後の二次定植」を徹底。出荷計画も2ロットに分ける。
FAIL CASE 05

定植前散布を省略した

コナガ・アオムシ予防のセルかん注(プレバソンフロアブル5など)を省略して定植。 定植2週間後にコナガ食害が初期生育を直撃し、生長点被害株が続出。

リカバリ:定植直後にBT剤+ジアミド系の散布で立て直し。次作はセルかん注の徹底を最優先事項に。
FAIL CASE 06

夕方〜雨天時に定植して活着不良

適期苗だったが、夕方や雨天の高湿条件で定植。 地温が低く、土が締まりすぎて根張りが進まず、活着まで2週間。

リカバリ:晴天日の午前中に追加かん水で地温調整。次作は晴天日の午前〜午後早めの定植を厳守。