キャベツ栽培の最大の敵は、薬剤抵抗性が極めて強いコナガです。
初期防除を怠ると、結球期に手がつけられない事態になります。
「初期密度を低く保つ」「系統ローテーション散布」の2原則を、このステップで体得しましょう。
害虫は「発生してから叩く」のではなく、「発生する前に予防する」のが基本。 さらに、同じ系統の薬剤を連用すると抵抗性個体が増えるため、IRACコードを意識した系統ローテーションが必須です。
🔑 ローテーションの原則:同一作用機構(IRACコード)の薬剤は連用2回まで。1作期で 3〜4系統 をローテーションする。これでコナガの抵抗性発達を抑え、薬剤の効果を持続できる。
| IRAC | 系統 | 代表薬剤 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 11A | BT剤 | ゼンターリ顆粒・フローバックDF | 感受性維持・安全性高 |
| 28 | ジアミド系 | プレバソンフロアブル5・フェニックス | 主力薬剤・残効長い |
| 5 | スピノシン系 | ディアナSC・スピノエース顆粒 | 速効性・コナガに強い |
| 6 | アベルメクチン系 | アファーム乳剤 | 使用可・連用注意 |
| 15 | IGR系 | カスケード乳剤 | 若齢幼虫に有効 |
| 時期 | 系統 | 薬剤例 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 定植前(セルかん注) | ジアミド系 | プレバソンフロアブル5 | 予防・残効長期 |
| 定植7日後 | BT剤 | ゼンターリ顆粒水和剤 | 初期密度低減 |
| 定植20日後 | ジアミド系 | フェニックス顆粒水和剤 | 中期防除 |
害虫の発生状況は週1回・1株あたりで定点観察することが基本。「葉裏」「卵塊」「食害痕」の3点を確認し、発見即対応の体制を作ります。
「効くから」とプレバソンを5回連用。コナガに抵抗性が発達し、6回目以降効果が大幅に低下。出荷球率が25%低下した。
背負動噴で上から散布し、葉裏のコナガに薬液が届かなかった。表面のアオムシは死んだが、コナガ幼虫が生き残った。
育苗期間中の予防処理を省略。定植直後からコナガ食害が発生し、初期生育が大きく遅れた。
「念のため」と豪雨予報の前日に散布。翌日の雨で薬液が流亡し、効果がほぼゼロに。
出荷直前にコナガ食害を発見し、慌てて散布。収穫前日数を守らず、農薬残留検査でNGが出た。
圃場周辺のアブラナ科雑草(ナズナ等)が、コナガ・アオムシの発生源となり、防除後も再侵入を繰り返した。