共通事項 — 3品種共通

収穫・品質管理

収穫適期の判断・収穫方法・生育調査・果実品質調査の基本を整理する。品種ごとの収穫適期の違いも含めて、商品果率と出荷品質を最大化するための管理手順。

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収穫適期の判断

収穫タイミングは果皮の着色程度で判断する。早取りは食味・糖度が低く商品価値が下がる。遅れると軟化・腐敗・輸送中の傷みが増える。

品種収穫の目安(着色程度)注意点
すずあかね全体の9割以上着色硬果性が高く日持ち良好。遅め収穫でも傷みにくい
とちおとめ全体の8〜9割着色低温期は着色が遅い。果実温が高くなると軟化しやすい
夏のしずく全体の8〜9割着色夏季高温期は早朝収穫・即予冷を徹底する
果皮着色程度の目安 0% 30% 60% 80〜90% 100% 収穫適期

収穫時の注意点

収穫方法

  • 果実表面に指が触れないよう果柄(ヘタの上)を持って収穫する
  • 緩衝材を入れた浅箱・収穫コンテナを使用
  • 果実が重ならないよう丁寧に並べる
  • 1コンテナに詰め込みすぎない(2〜3段以内)

収穫時間帯

夏季(夏のしずく・すずあかね高温期)早朝に収穫する。果実温度が低い時間帯に収穫することで、腐敗・傷みを大幅に抑制できる。
冬季(とちおとめ)は日中の温暖な時間帯の方が果実が柔らかくならず良い。着色確認もしやすい。

予冷・出荷調整

特に夏季高温期は収穫後の温度管理が品質に直結する。収穫後は速やかに予冷庫に搬入し、果実温度を下げてから出荷調整(選果・パック)を行う。

工程推奨温度・条件目的
予冷3〜5℃・1〜2時間以上果実温度を下げ、腐敗・軟化を抑制
選果・格付け15℃以下の涼しい環境選果時の品質低下を最小化
パック・出荷保冷ボックス・冷蔵トラック輸送中の温度上昇を防止

生育調査・品質調査

定期生育調査の項目

調査項目調査頻度判断基準
草丈・葉数週1〜2回品種標準値と比較し生育の過不足を判断
クラウン径月1回肥大が不十分な場合は施肥・給液を見直す
花房の出蕾数週1回出蕾が少ない場合は温度・日長・草勢を確認
着果数・果実サイズ週1〜2回小玉・奇形果の増加は管理上のシグナル

果実品質調査の項目

調査項目方法目標値の目安
糖度(°Brix)屈折糖度計9〜11°Brix(品種・時期により異なる)
酸度(%)滴定法0.7〜1.0%(季節により変動)
果実硬度(gf)テクスチャーアナライザー等品種間差が大きい(夏のしずく:44.9 gf/φ2mm)
商品果率(%)重量ベース品種・圃場条件によるが60%以上を目標
出典:農研機構「大規模いちご生産技術導入マニュアル」令和2年3月 / 農研機構「夏のしずく標準作業手順書」SOP22-209aK