共通事項 — 3品種共通

訪花昆虫(ミツバチ)

いちごの受粉・結実にはセイヨウミツバチの導入が標準。蜜蜂の特性を理解し、飼養管理・農薬使用・法令遵守の3点を適切に組み合わせることで、安定した着果と果実品質を確保する。

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訪花昆虫の導入

いちごは自家和合性(自分の花粉で受粉できる)だが、雌蕊の各部位に均一に受粉しないと変形果(奇形果)が発生する。セイヨウミツバチによる授粉は受粉の均一性を高め、正形果率・果実重量・糖度を向上させる。

🐝
セイヨウミツバチが標準
国内施設栽培では最も普及
1〜2箱
導入数 / 10a
ハウス規模・働き蜂数に応じて調整

セイヨウミツバチの特性

活動特性

  • 🌡️活動適温:15〜25℃。低温(10℃以下)では活動が著しく低下
  • ☀️日中・明るい時間に活動。夜間・曇天時は活動しない
  • 🌬️強風時は活動が低下する。換気強化時は注意
  • 🍯花蜜・花粉が少ないと採餌活動が衰え集団が弱体化する

導入のタイミング

  • 📅開花率が10〜20%になった頃に導入する
  • 📅農薬散布後は最低3〜7日空けてから導入
  • 🔄使用期間は概ね6〜8週間。蜂群の活性低下に応じ交換
  • 🔆巣箱の設置は花が多い場所の近く・採光の良い場所

飼養管理上の注意点

高温対策:夏季のハウス内高温(32℃以上)は蜜蜂の致死・蜂群崩壊につながる。巣箱を日陰に置き、場合によってはハウス外への退避を検討する。
餌不足への対応:いちごの花期が終わる・花が少ない期間は、砂糖水を補給して蜂群の弱体化を防ぐ。
受粉効果の確認:果実の肥大・形状を日々確認し、奇形果が増えてきたら受粉状況(蜜蜂の活動)を見直す。

農薬使用上の注意点

蜜蜂への農薬影響は最重要事項:多くの殺虫剤・殺菌剤は蜜蜂に毒性を持つ。農薬散布時は必ず蜜蜂を退避させるか、散布後に十分な時間(薬剤によって異なる)を空けること。
  • ⚠️農薬ラベルの「蜜蜂への注意事項」を必ず確認する
  • 🚫ネオニコチノイド系農薬は蜜蜂への毒性が高い薬剤が多い。使用前に専門家に相談
  • 📅農薬散布は夕方〜夜間(蜜蜂が巣箱に戻ってから)に行い、ハウスを密閉して蜜蜂を一時退避
  • 🌬️散布後は十分換気してから蜜蜂を戻す

蜜蜂の関係法令

セイヨウミツバチの飼養には法令上の手続きが必要な場合がある。導入前に以下を確認する。

法令概要
家畜伝染病予防法蜜蜂は家畜に該当。飼養届出・病気発生時の報告義務がある
各都道府県条例地域によって蜜蜂導入に関する届出・規制が異なる
輸入蜜蜂輸入品の場合は植物防疫法上の規制を確認
地域の農業普及指導センター・農業協同組合に相談し、必要な届出手続きを事前に行う。
出典:農研機構「大規模いちご生産技術導入マニュアル」令和2年3月 / 農研機構「夏のしずく標準作業手順書」SOP22-209aK