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夏のしずく × すずあかね
共通点と相違点

どちらも四季成り性の高設栽培品種。基本的な栽培の流れは共通するが、「夏のしずく」は夏秋どり専用品種として独自のポイントがある。管理項目ごとに整理する。

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前提:2品種の位置づけ

すずあかね

北海道型 施設高設専用

  • 📍北海道(苫東ファーム)を主な実証拠点とした
  • 🏗️高設栽培専用(土耕への記述なし)
  • 🌱種苗会社から冷蔵苗を購入して定植(自家採苗の記述なし)
  • 📅2〜3月定植 → 6〜12月収穫
夏のしずく

寒冷地・高冷地 夏秋専用

  • 📍東北・北海道・長野・山梨等の寒冷地が適地
  • 🏗️高設栽培・土耕栽培どちらも対応
  • 🌱自家採苗が容易(ランナー発生旺盛)
  • 📅春定植 → 6〜11月収穫(夏秋どり専用)

管理項目別 詳細比較

管理項目 共通点 すずあかね の特徴 夏のしずく の特徴
作型・
収穫期
四季成り性・春定植・長日条件で花芽形成・夏〜秋収穫が主体 2〜3月定植 / 6〜12月収穫
相違12月まで収穫継続
春(3〜5月)定植 / 6〜11月収穫
相違11月で終了・夏秋に特化
育苗・
苗の入手
充実した苗(クラウン・根群が旺盛)を使う 種苗会社から冷蔵苗を購入して定植
相違自家採苗の記述なし
自家採苗が基本(ランナー13.4本/株)
相違種苗法許諾が必要
栽培方式 高設栽培での実績あり・培地管理・点滴灌水 高設栽培専用
苫東ファーム型ベンチ(冷温水循環・CO₂供給)
高設栽培・土耕栽培どちらも可
相違土耕では初期投資を削減できる
株間・
栽植密度
2条千鳥植えが基本 株間 約20〜25cm
10aあたり4,000〜5,000株
株間 25〜30cm(広め)
注意大株になるため密植不可
定植後
花房管理
定植後しばらくは花房をすべて除去し株養成優先 展葉・クラウン充実を確認後に花房上げ
8月頃に5〜10日の株休息も実施
新葉4〜5枚展開まで花房除去
共通判断基準は同様
腋芽・
芽数管理
弱小腋芽は摘除・旺盛な腋芽は残す 芯止まりに注意
腋芽発生は少なめ
重要旺盛芽は全残し・最低3芽以上確保
複数花房を同時進行させ収量確保
遮光管理 30℃以上では遮光が必要 高温時に寒冷紗等で対応
遮光率の具体的記載なし
強化遮光率40〜60%を必須で実施
ハウス外部展張が効果的
給液EC
管理
活着期は原水のみ / 肥大期にEC上げる / pH 5.5〜6.5 活着後:EC 0.2〜0.4
収穫期:EC 0.4〜0.6 mS/cm
活着後:EC 0.2〜0.4
肥大期:EC 0.4〜0.7 mS/cm
共通管理範囲はほぼ同等
給液頻度
(高温期)
気温上昇に応じて給液回数を増やす 高温時:1日3〜6回 注意草勢強・水分要求量多
高温期:1日3〜6回・萎れに即対応
収穫適期 果皮が十分着色してから収穫 着色9割以上で収穫
硬果性が高く日持ち良好
相違8〜9分着色で収穫
早朝収穫・3〜5℃予冷を推奨
予冷・
出荷管理
収穫後は高温を避け迅速に処理する 具体的な予冷温度の記載なし 相違3〜5℃の予冷庫で必ず予冷
果実温度低下後に出荷調整を行う
病害虫
防除
うどんこ病・灰色かび病・ハダニ・アザミウマが主要対象
定期的薬剤散布
培地消毒(低濃度エタノール)が記載されている 炭疽病・萎黄病への注意が追加
親株での発生確認が重要
訪花昆虫 セイヨウミツバチの導入が基本
農薬使用時の蜜蜂保護に注意
マニュアルⅢ共通事項に詳述 自家和合性のため風・換気による自然受粉も可
受粉不良時のみミツバチ追加導入

作業カレンダー比較

作業カレンダー比較(すずあかね vs 夏のしずく) 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 すずあかね 定植 株養成 収穫(6〜12月) 株休息 夏のしずく 親株越冬 採苗・育苗(3〜5月) 定植 株養成 収穫(6〜11月)★夏秋に特化 違いのポイント: すずあかね:12月まで収穫継続・高設専用・冷蔵苗購入 夏のしずく:11月収穫終了・高設+土耕両対応・自家採苗・遮光必須・予冷推奨 すずあかね:8月頃5〜10日の株休息を挟む

どちらを選ぶ? — 導入の判断基準

すずあかねが向く場合

  • 北海道型の次世代施設園芸(苫東ファーム型)を導入している
  • 高設専用の精密環境制御設備(冷温水循環・CO₂供給)がある
  • 年内12月まで収穫を継続したい
  • 冷蔵苗を購入して毎年定植する体制

夏のしずくが向く場合

  • 東北・北海道・長野等の寒冷地・高冷地での夏秋どり栽培
  • 業務用(ケーキ・パフェ)の夏秋端境期市場を狙いたい
  • 自家採苗でコストを下げたい(ランナー旺盛)
  • 高設栽培だけでなく土耕でも導入を検討している
出典:農研機構「大規模いちご生産技術導入マニュアル」令和2年3月 / 農研機構「夏のしずく標準作業手順書」SOP22-209aK