四季成り性 / すずあかね

株養成期の管理

花房上げのタイミング判断が長期収量の鍵。株が十分に充実した段階で初めて着果を開始させることで、6〜12月の安定高収量が実現する。腋芽整理・摘花摘果・培地寄せを組み合わせて株の生産力を維持する。

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花房上げの判断基準(最重要)

花房上げ(着果開始)のタイミングは、株の充実度で判断する。外観チェックで全条件を満たしてから花房を残し始める。

花房上げ 適期の基準

  • 展開葉数が6〜8枚以上に達している
  • クラウン径が15mm以上に肥大している
  • 根群が培地全体に伸長している
  • 葉色が濃緑色で草勢が旺盛
  • 定植から概ね8〜10週が経過している
早期花房上げのリスク:株養成が不十分なまま着果させると根群が未発達のまま結実負担がかかり、後半(秋〜冬)の収量が激減する。1果重も低下する。
判断に迷ったら「もう1週間」待つ。花房上げを1週間遅らせても年間収量への影響は小さいが、早すぎた場合の影響は大きい。

腋芽の整理(多芽展開による収量確保)

四季成り性品種では複数の腋芽が同時に展開し、それぞれに花房がつくことで株あたり収量が高まる。腋芽管理の方針を誤ると収量が大きく変動する。

腋芽の状態対応理由
旺盛で花房をつける腋芽残す(全残し推奨)収量の主体。除去すると着果数が減少する
弱小・細い腋芽摘除養分の分散を防ぐ。旺盛な芽への集中が優先
芯止まりが発生した芽隣接の旺盛な腋芽を育成芯止まり芽は新花房が出ない。隣芽で補完する
📷 多芽展開の様子(旺盛株) images/suzuakane-axillary.jpg

複数の旺盛な腋芽と花房が同時進行している状態。これが長期高収量の基盤

摘花・摘果

除去対象と判断基準

弱小花・奇形花花径が小さい・雌蕊が乱れているもの
過剰着果1花房に着果が多すぎる場合
直径1cm未満の花小果にしかならない花は除去
細果房全体花房が細く果実が小さいと判断したもの
着果負担が重いと翌花房の出蕾が遅れ、収量の波が大きくなる。適切な着果数に絞ることで均一な大果が揃い商品価率が上がる。
📷 摘花後の花房の状態 images/suzuakane-thinning.jpg

8月の株休息

夏の高温期に株が疲弊し草勢が落ちてきた場合、5〜10日間花房を除去して株を一時休息させることで秋以降の収量が安定する。すずあかね長期どり栽培特有の管理作業。

株休息を行うタイミング

  • 8月前後に草勢低下のサインが見られる
  • 葉色が薄くなり細果房が増えてきた
  • 果実の1果重が明らかに低下している
休息後の効果:根群が回復し、9月以降の腋芽展開が旺盛になる。秋冬の収穫量が安定する。

培地寄せ

長期栽培では根の伸長とともに培地が沈下・偏ることがある。月1〜2回の頻度で培地の均一性を確認し、不足箇所に補充する。点滴チューブの位置ずれも同時に確認する。

週次チェックリスト(株養成〜収穫期)

⚠ 草勢低下のサイン

  • !細果房・小玉果が増えている
  • !葉色が薄くなり葉が小さくなっている
  • !芯止まりが多発している
  • !出蕾の間隔が長くなっている

⚠ 草勢過多のサイン

  • !花房の着果率が低い
  • !葉が大きく下向きに巻く
  • !ランナーが多数発生している

✓ 正常サイン

  • 複数の腋芽・花房が同時進行している
  • 着果率が高く果実が均一に肥大している
  • 葉色は中〜濃緑色・適度な大きさ
  • 細果房・奇形果の発生が少ない
  • クラウン基部が充実している
出典:農研機構「大規模いちご生産技術導入マニュアル」令和2年3月 / 北海道次世代施設園芸拠点(苫東ファーム)実証データ