四季成り性 / すずあかね

定植後1ヶ月の管理

定植直後から株養成期に入る前の約1ヶ月間が長期高収量を左右する最重要期。花房除去・芽整理・温度管理・給液管理を正確に行い、根群とクラウンを充実させる。この期間の管理ミスは後半の収量低下として現れる。

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この時期の管理の優先順位

最優先
花房をすべて除去
株養成に専念させる
高優先
弱小腋芽・ランナーの
摘除
重要
温度 18〜25℃
最低気温 10℃以上
重要
EC 0.2〜0.4
pH 5.5〜6.5

管理スケジュール

時期主な作業目的・判断基準
定植〜3日原水灌水(肥料なし)・萎れ確認活着促進。萎れが続くようなら灌水回数を増やす
1〜2週目弱小腋芽摘除・ランナー摘除・花房除去開始養分を主芽に集中。花房は無条件ですべて除去
2〜3週目包葉摘除・株元清掃・給液(EC 0.2〜0.4)開始通気確保・根圏清潔化。溢泌液確認で活着判定
3〜4週目温度管理強化・給液量を生育に合わせ調整根群の全培地展開を目指す。新葉の展開で確認

花房除去(最重要作業)

定植後1ヶ月間は、発生した花房をすべて例外なく除去する。四季成り性品種は花芽分化が旺盛なため放置すると次々と花房が現れる。早期着果は根群・クラウンの発達を阻害し、後半の収量が激減する。

惜しまず除去すること。「もったいない」と感じた花房をつけたままにしておくと、初年度の後半収量が20〜30%以上低下する事例がある。
📷 花房除去の作業 images/suzuakane-flower-removal.jpg

花柄の根元からハサミで切除。切り口が残らないよう清潔に

芽の整理

弱小腋芽の摘除

クラウン基部から発生する腋芽のうち、弱小なものは主芽の生育を妨げる。定植後2週間以内に弱小腋芽を除去し、旺盛な主芽への養分集中を図る。

摘除
細く弱々しい腋芽
残す
主芽と同等の旺盛な芽
摘除
明らかに弱小な芽

ランナーの摘除

すずあかねはランナーが少ない品種だが、発生したものは発見次第すべて摘除する。ランナーが養分を消費すると果実生産力が低下する。高温期に発生が増えるため夏場は特に注意して巡回する。

📷 ランナーの発生例 images/suzuakane-runner.jpg

温度管理

場面目標温度主な手段
活着期(定植後1〜2週)昼 18〜22℃ / 夜 12℃以上側窓・天窓の開閉で調整
高温時(30℃超)30℃以下に抑制遮光率40〜60%の遮光ネット展張・換気強化
低温期・早朝最低 8〜10℃以上加温機・保温カーテンを活用
30℃以上が続くと花芽形成が強く抑制される。特に5〜6月の活着期に高温が続く場合は遮光の早期展張を検討する。

給液管理(定植後1ヶ月)

ステージEC目標値給液頻度pH
定植直後(活着期)原水のみ(EC ≒ 0)萎れに応じ随時(1〜2回/日)
活着後〜養成期EC 0.2〜0.4 mS/cm1日2〜3回5.5〜6.5
排液ECのモニタリング:排液ECが給液ECより大幅に高い(2倍以上)場合は塩類が培地に蓄積している。給液量を増やして洗い出しを行う。排液率の目安は20〜30%。

週次チェックリスト(定植後1ヶ月)

⚠ 要注意・対処が必要

  • !花房が除去されずに残っている → 即除去
  • !ランナーが伸びている → 発見次第摘除
  • !昼間に葉が萎れる → 灌水回数を増やす
  • !葉が黄化している → 給液EC・pH確認
  • !株元に古葉・枯葉が堆積 → 摘除して通気確保

✓ 正常サイン

  • 朝の葉縁に溢泌液(水滴)が見られる
  • 新葉が次々と展開している
  • 葉色は中〜濃緑色・適度に広がっている
  • 弱小腋芽が整理されクラウンがスッキリしている
  • 排液ECが給液ECの1〜1.5倍以内に収まっている
出典:農研機構「大規模いちご生産技術導入マニュアル」令和2年3月 / 北海道次世代施設園芸拠点(苫東ファーム)実証データ