四季成り性 / すずあかね

定植準備・定植

種苗会社から届いた冷蔵苗の受け入れチェックから、培地準備・栽植様式・定植手順・活着確認まで。植え付け深さのミスが長期収量を大きく左右するため、クラウン位置の精度が最重要。

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冷蔵苗(購入苗)の受け入れチェック

🏪 種苗会社購入苗(冷蔵済み)

入荷した冷蔵苗は定植前に全株の状態を確認する。不良苗を1株でも定植すると活着不良・病害源となる。

  • クラウン径 10〜15mm以上・充実している
  • 根が白色・旺盛(褐変・腐敗なし)
  • 葉に病斑・奇形がない
  • アザミウマ・ハダニの寄生がない(葉裏を確認)
  • 冷蔵中の蒸れ・凍結・腐敗がない
📷 冷蔵苗のクラウン・根の状態 images/suzuakane-seedling-check.jpg

左:良質苗(白根・充実クラウン) 右:不良苗(褐変根)

根が褐変・腐敗している苗は即廃棄。病害源になる。

栽培ベンチの構造(苫東ファーム型)

ベンチ規格

内寸幅0.19 m
内寸深0.12 m
ベンチ長さ43.00 m
培地容積0.98 m³ / ベンチ
ベンチ高さ地面から約1m

組み込み機能

  • 💧点滴チューブ(養液灌水)
  • 🌡️冷温水循環パイプ(培地温度管理)
  • 🌫️ポリエチレンパイプ(CO₂供給)
  • 🔩排水コルゲート管
ベンチ断面(模式図) 培地(ヤシガラピート等) 点滴チューブ 冷温水 冷温水 CO₂パイプ 排水管 地面から約1mの高さに配置。腰高作業で収穫効率↑

培地の準備

STEP 1
残渣除去
前作の古根・残渣をすべて除去する
STEP 2
培地消毒
低濃度エタノール(約1〜2%)を灌注。1〜2週間封じ込め
STEP 3
補充・均平
沈下部分に新培地を補充。面を均一にならす
STEP 4
定植前灌水
定植前日に十分灌水し、培地を膨潤・湿潤状態にする
培地消毒をスキップすると前作の病原体(フザリウム・ピシウム等)が残留し、定植後に根腐れが多発する。

栽植様式(2条千鳥植え)と定植手順

栽植密度の基本設定

植え方2条千鳥植え
株数目安10aあたり 4,000〜5,000株
株間約 20〜25 cm

定植手順

  1. 1ホーラーで定植穴を開ける(根長に合わせた深さ)
  2. 2クラウン頂部が培地面と同高さになるよう植え付ける
  3. 3根を広げて自然な形で穴に収め、培地で覆う
  4. 4定植直後に原水で十分に灌水する
  5. 5点滴チューブが株元に届いていることを確認
2条千鳥植え(上面図) 20〜25cm 2列でベンチ幅方向に千鳥に配置
📷 定植作業の様子 images/suzuakane-planting.jpg

定植深さの判断基準(最重要)

浅植え(NG)
根が露出
乾燥・活着不良
適正深さ
クラウン頂部=培地面
深植え(NG)
クラウンが埋まる
芽の展開が抑制
深植えのリスク:クラウンが培地に埋まると、芽の展開が抑制されて生育不良となる。根腐れや腐敗病の入口にもなる。
浅植えのリスク:根が露出すると乾燥・活着不良となる。倒伏の原因にもなり、初期生育が著しく遅延する。

活着促進と活着確認

活着促進の管理

管理項目活着期の設定
灌水原水のみ(肥料なし)・萎れに応じ随時
ハウス温度昼 18〜22℃ / 夜 12℃以上
遮光定植直後3日間は直射日光を避ける
期間定植後1〜2週間

活着の確認方法

  • 💧溢泌液:早朝に葉縁から水滴が出ていれば根が活着した証拠
  • 🌿新葉が展開し始めたら活着完了のサイン
  • ⚠️昼間に葉が萎れるようであれば灌水回数を増やす
📷 溢泌液(葉縁の水滴) images/suzuakane-guttation.jpg
出典:農研機構「大規模いちご生産技術導入マニュアル」令和2年3月 / 北海道次世代施設園芸拠点(苫東ファーム)実証データ