Probethink | 栽培技術 ホーム設備体系モード日本版ベトナム高原版

ベトナム高原版テンプレート | 常春・二季

年間運用カレンダー

Annual Mode Deployment — Tomato, Vietnam highlands (Đà Lạt example)

ベトナム高原版(常春二季)

外気を取り込む

日中が常に適温。M1換気が通年フル稼働。乾季=強日射+潅水、雨季=スコール防御+除湿+補光。

プランナー(tomato-planner-vietnam)の7高原都市データとGrade判定を反映。ここではGrade A・周年長期多段どりが可能な Đà Lạt(ダラット)を実例にする。冷房(M6/M7)はほぼ不要で、代わりに乾季の強日射(M8)と雨季のスコール(M10)が主役になるのが日本版との決定的な違い。

01

対象7都市と作型グレード

Highland cities & year-round grade (from planner)

都市(標高)月平均レンジGrade雨季冬の冷え込み
Đà Lạt
ダラット・1500m
17.2–21.3℃Grade A4〜10月なし(17℃〜)
Tu Mơ Rông
チュモロン・1300m
17.2–22.3℃Grade A5〜10月なし
Măng Đen
マンデン・1183m
17.9–23.0℃Grade A5〜10月なし
Sa Pa
サパ・1570m
9.6–22.5℃Grade A5〜9月強(冬M4加温)
Mù Cang Chải
ムカンチャイ・1000m
11.0–24.0℃Grade B5〜9月中(冬M4・冷却要)
Yên Bái 高原
イエンビエン高原・750m
12.5–25.5℃Grade B5〜9月中(冬M4・冷却要)
Pleiku
プレイク・785m
20.3–25.5℃Grade B5〜10月なし(冷却要)
Grade A(最高月平均≤23℃・次世代型)→ 周年長期多段どり(約14ヶ月) Grade B(≤25.5℃・次世代型+冷却)→ 周年(約12ヶ月・M6/M8を一部使用) Grade C/D → 乾季集中型 or 雨季跨ぎ作型

判定は「最高月平均気温×施設タイプ×冷却設備」。北部高地(Sa Pa・イエンビエン・ムカンチャイ)は冬に外気15℃以下まで下がるためM4夜温(断熱+補助加温)が日本寄りに厚くなる。南部高原(ダラット系)は周年ほぼ適温で加温不要。

近縁都市の差分:チュモロン(1300m)・マンデン(1183m)は Grade A・加温不要で本ページ(ダラット)にほぼ準ずる。プレイク(785m)は Grade Bで冬の冷え込みは無い(最低20.3℃)が、夏は最高25.5℃まで上がるため、乾季〜雨季前の高温期に遮光(M8)と冷却を本ページより強める。冬の加温は不要のまま、夏側だけGrade B寄りになる中間型。

02

日内サイクル(毎日・通年)

Daily cycle — lighter than Japan

夜 → 朝 → 日中 → 夕 の時計回り(VNは朝・夕が軽め)

M4 夜温確保断熱主体(北部のみ加温)
M2 朝の立ち上げ予備加温は最小・CO₂タイミング
M1 換気主体外気を取り込む・通年の主役
M3 夕方の切り替え雨季はカーテン閉前の除湿
M4 夜温確保夜へ

毎日の4基本は日本と同じだが、強度が逆。日本は朝の加温・夕QDが主役級、VNはM1換気が突出し朝夕は軽い。季節の重なり:乾季昼の強日射→M8、雨季午後のスコール→M10、雨季の低日照→M9、雨季夜の過湿→M5

03

月 × モード 強度マップ(ダラット・周年)

Đà Lạt year-round — dry season vs rainy season

乾季入り・好適
乾季・好適期
★ 雨季移行
雨季(防御・除湿・低日照)
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月 ★
6月
7月
8月
9月 ★
10月
M1換気主体外気を取り込む。通年フル稼働の主役
M2朝の立ち上げ乾季の冷えた朝に軽く。予備加温は最小
M3夕方の切り替えVNは夕方除湿が主。雨季に厚く
M4夜温確保乾季の放射冷却夜。断熱主体(北部は加温)
M5除湿・病害抑制雨季は連日90%超で常用
M6夏季冷房・細霧ダラットは不要(Grade B低標高で限定使用)
M8強日射管理乾季の晴天=低緯度高標高の強日射◎
M9弱日射・補光雨季の低日照補正。8〜9月が底
M10スコール防御雨季は午後ほぼ毎日。VNの最重要
潅水潅水・施肥運用乾季は強日射で増量、雨季は減量
主役・毎日 使用 随時・オプション 不要 M1換気が全月主役=「外気を取り込む」。M6/M7冷房は不在。M11停電は随時で非掲載
04

2大重要期:乾季→雨季の境界

Rainy onset (May) & rainy peak (Aug–Sep)

4〜5月 ★ 雨季への移行

課題:スコール開始・湿度急上昇・日射低下

「取り込む」基本から「防ぐ」局面へ切替。午後のスコールが始まり、強制閉と排水の運用に入る。日照が落ち、CO₂効果も薄れる。裂果・疫病の入り口。

M10 スコールM5 除湿 M9 補光M3 夕除湿

8〜9月 ★ 雨季のピーク

課題:連日豪雨・低日照・病害最大

年間の最難関。降雨量・湿度・低日射が同時にピーク。着果・肥大が乱れ、灰色かび・疫病が最大化。収量の壁。M10を毎日、M5・M9を厚く。

M10 スコールM5 除湿 M9 補光WS 潅水減

日本の「11月・3月」に相当するのが、VN高原では雨季の入口(4〜5月)と雨季ピーク(8〜9月)。乾季(11〜3月)は外気が適温・低湿の好適期で、強日射管理(M8)と潅水増量が中心の「楽な時期」。プランナーが「雨季前の収穫完了」を核心に据える理由がここに表れる。停電(M11)は農村部で随時、UPS/発電機の優先給電を設計しておく。