現代のトマト品種育種の方向性
| 育種目標 | 主な改良内容 | 栽培現場への影響 |
|---|---|---|
| 耐病性強化 | ToMV・TYLCV・葉かび病・萎凋病への分子マーカー選抜 | 農薬使用量削減・安定生産 |
| 高温耐性 | 花粉稔性の高温安定性。35℃超での着果率維持 | 温暖化対応・夏季高品質栽培 |
| 光利用効率向上 | 個葉光合成速度・吸光係数の改良(TOMATOES 2nd の核心) | 日本品種の収量格差縮小 |
| 高品質・機能性 | 高リコペン・高糖度・長日持ち性品種 | 高付加価値市場への対応 |
| 省力化対応 | 単為結果性(ホルモン処理不要)品種 | 労働コスト削減・品質安定 |
ゲノム育種と分子マーカー選抜
従来の交配育種は10〜15年を要したが、ゲノム情報と分子マーカー選抜(MAS)の組み合わせにより育種年限が大幅に短縮されている。
- MAS分子マーカー選抜:目標形質と連鎖するDNAマーカーで早期選抜。苗段階での耐病性判定が可能
- GSゲノム選抜(Genomic Selection):ゲノム全体の情報から収量・品質を予測する統計モデルを活用
- ゲゲノム編集(CRISPR等):国内でも一部品目での実用化が進む。次世代の品種改良ツール
コンサルとして注目すべき点:耐病性育種の進展により「防除から育種で対応」するケースが増加。品種選択が防除コスト削減に直結する時代になっている。
単為結果性品種の活用
ホルモン処理なしで着果する単為結果性品種(例:パルト等)は、マルハナバチ不要で労働コストを大幅削減できる。ただし着果数制限は通常品種と異なるため、摘果基準を変える必要がある。
単為結果性品種を通常の摘果基準(3〜4果/房)で管理すると収量が減少するという研究結果がある(北海道農研)。5果/房を目安にする等、品種に合わせた管理が必要。