環境制御連動型IPMの考え方
病害発生の三角形と環境制御による介入ポイント
病害発生には「病原菌の存在」「感受性のある宿主」「発病適環境」の3要素が揃う必要がある。環境制御連動型IPMとは、農薬(病原菌への直接作用)だけでなく、環境制御と栽培管理で3要素すべてに介入する総合的防除戦略。
① 灰色かび病(Botrytis cinerea)——厳寒期の最重要病害
灰色かび病の茎・果実への感染症状
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灰色のかびが密生した病斑の拡大
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灰色かび病の発生条件と管理の対応関係
果実・茎を濡らさないことが最優先。夜間の結露は灰色かび病の感染リスクを急激に高める。被害部位はビニール袋で密閉してから持ち出す。
② 葉かび病(Cladosporium fulvum)——換気不足で多発
葉かび病:葉裏のオリーブ色のかびと葉表の黄化
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生適温 | 22〜25℃前後(多湿条件) |
| 発生場所 | 葉裏にオリーブ色のかびが発生、葉表は黄化 |
| 多発時期 | 3月以降の暖候期移行期に急増 |
| 主な対策 | 積極換気・飽差管理・摘葉で風通し改善・抵抗性品種 |
換気不足の密閉ハウスで多発。3月の気温上昇期に换気管理を怠ると一気に蔓延する。上位葉から下位葉へと進展するため早期発見が重要。
③ 疫病(Phytophthora infestans)——速攻で拡大する難敵
疫病:葉・果実・茎への感染状況
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生適温 | 10〜15℃の低温多湿で最も活発 |
| 特徴 | 一度発生すると急速拡大。治療は困難 |
| 侵入経路 | 換気口・開口部からの胞子侵入が主 |
| 対策 | 予防散布が基本。防虫ネット・早朝加温 |
発生後の治療散布では手遅れになるケースが多い。予防散布のタイミングと開口部からの胞子侵入防止が最重要。
農薬ローテーション管理(耐性菌対策)
RACコードによるローテーション設計(灰色かび病の例)
同一RACコードの農薬を繰り返し使用すると耐性菌が出現し防除効果が失われる。複数のRACコードをローテーションで使用することが長期的な防除効果維持に不可欠。農薬ラベルのRACコードを必ず確認する。