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⑦ 品種選択・育種(TOMATOES 2nd Edition 第2・3章)

品種特性と収量——日蘭品種の収量差の本質

TOMATOES 2nd Editionの核心:日本品種とオランダ品種の収量差は乾物分配率の差ではなく、光利用効率と総乾物生産量の差によるもの。品種選択が栽培の土台を決める。

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日本品種とオランダ品種の収量差の本質

比較項目オランダ品種日本品種(桃太郎系)
年間収量(10a)50〜100t以上平均15〜25t(施設)
個葉光合成速度新品種ほど向上(育種改良の成果)オランダ品種に比べて低い傾向
群落受光効率(LAI)葉角度・節間長が多収向けに最適化食味・外観品質に優れる
多収化の主因光利用効率向上+総乾物生産増加果実乾物率が高い面では優位
食味・糖度収量重視で食味はやや劣る傾向糖度・食味・外観で市場評価が高い
TOMATOES 2nd Editionの分析:オランダ品種の多収化では果実への乾物分配率の増加より、光利用効率の向上と総乾物生産の増加の方が重要。日本で多収化を図るには光利用効率を改善した品種育成が必要。

長期多段どり向け品種選択のポイント

選択基準重要度チェックポイント
長期栽培適性◎最重要草勢の持続性・老化しにくさ・根の活性維持
耐病性◎最重要葉かび病・黄化葉巻病・萎凋病(ToMV等)抵抗性
着果安定性○重要低温・高温での花粉活性・着果率の安定性
果実品質○重要日持ち性・食味・糖度・外観(市場要求に合致するか)
収量性○重要1果重の安定性・着果数・空洞果の発生しにくさ
裂果抵抗性△状況による高温期・水分変動が大きい圃場では重要

主要品種の特性(参考)

  • りんか409(サカタのタネ):愛知農試実証栽培でも使用された長期栽培向け品種。耐病性に優れ普及が進んでいる
  • 桃太郎系(タキイ種苗):日本市場での評価が高い食味・外観。長期栽培向けの改良品種も展開
  • オランダ品種(デルゴ・ビトラ等):高軒高施設・環境制御が整った施設向け。多収ポテンシャルは高いが日本市場の食味基準との違いに注意
品種の選択は圃場の施設条件(軒高・環境制御設備)・市場の要求・栽培者の技術レベルと合わせて総合的に判断する。品種だけ変えても施設・管理技術が伴わなければ多収は実現できない。

日本最高水準の収量事例

62t/10a
大玉トマト(国内品種)
誠和トマトパーク(ロックウール栽培)
55t以上
農研機構生育予測ツール活用
複合環境制御+品種選択の最適化
誠和の事例では「地下部(根域)の精密制御にはロックウール栽培が必須」と報告。地上部の環境制御と地下部管理の一体化が高収量の鍵。