日本品種とオランダ品種の収量差の本質
| 比較項目 | オランダ品種 | 日本品種(桃太郎系) |
|---|---|---|
| 年間収量(10a) | 50〜100t以上 | 平均15〜25t(施設) |
| 個葉光合成速度 | 新品種ほど向上(育種改良の成果) | オランダ品種に比べて低い傾向 |
| 群落受光効率(LAI) | 葉角度・節間長が多収向けに最適化 | 食味・外観品質に優れる |
| 多収化の主因 | 光利用効率向上+総乾物生産増加 | 果実乾物率が高い面では優位 |
| 食味・糖度 | 収量重視で食味はやや劣る傾向 | 糖度・食味・外観で市場評価が高い |
TOMATOES 2nd Editionの分析:オランダ品種の多収化では果実への乾物分配率の増加より、光利用効率の向上と総乾物生産の増加の方が重要。日本で多収化を図るには光利用効率を改善した品種育成が必要。
長期多段どり向け品種選択のポイント
| 選択基準 | 重要度 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 長期栽培適性 | ◎最重要 | 草勢の持続性・老化しにくさ・根の活性維持 |
| 耐病性 | ◎最重要 | 葉かび病・黄化葉巻病・萎凋病(ToMV等)抵抗性 |
| 着果安定性 | ○重要 | 低温・高温での花粉活性・着果率の安定性 |
| 果実品質 | ○重要 | 日持ち性・食味・糖度・外観(市場要求に合致するか) |
| 収量性 | ○重要 | 1果重の安定性・着果数・空洞果の発生しにくさ |
| 裂果抵抗性 | △状況による | 高温期・水分変動が大きい圃場では重要 |
主要品種の特性(参考)
- りりんか409(サカタのタネ):愛知農試実証栽培でも使用された長期栽培向け品種。耐病性に優れ普及が進んでいる
- 桃桃太郎系(タキイ種苗):日本市場での評価が高い食味・外観。長期栽培向けの改良品種も展開
- 蘭オランダ品種(デルゴ・ビトラ等):高軒高施設・環境制御が整った施設向け。多収ポテンシャルは高いが日本市場の食味基準との違いに注意
品種の選択は圃場の施設条件(軒高・環境制御設備)・市場の要求・栽培者の技術レベルと合わせて総合的に判断する。品種だけ変えても施設・管理技術が伴わなければ多収は実現できない。
日本最高水準の収量事例
62t/10a
大玉トマト(国内品種)
誠和トマトパーク(ロックウール栽培)
55t以上
農研機構生育予測ツール活用
複合環境制御+品種選択の最適化
誠和の事例では「地下部(根域)の精密制御にはロックウール栽培が必須」と報告。地上部の環境制御と地下部管理の一体化が高収量の鍵。