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シンク・ソース理論

シンク強度——果実の受取力を最大化する

シンクとは光合成産物の行き先(果実・根・茎)。果実のシンク強度を高めることで、ソースで作られた同化産物が確実に果実に充填され、1果重と収量が増加する。

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シンク強度とは何か

果実・根・茎
シンク器官
光合成産物の行き先
着果数×果実サイズ
シンク強度の規定要因
発育ステージも影響
収量の律速に
シンク過多の問題
1果あたりの充填不足
収量 = ソース強度 × シンク強度。どちらが律速になっているかを見極めることが多収管理の出発点。ソースが豊富でもシンクが少なければ余剰産物が茎葉に回り草勢過多を招く。

シンク強度を高める3つのアプローチ

① 着果数の適正管理——シンク数を最適化

着果数はシンク総量を決める最重要因子。多すぎれば1果重が低下し、少なすぎれば草勢過多・乱形果が増える。

着果状態収量への影響対策
着果過多小玉果・空洞果増加、樹勢低下早めの摘果でシンク数を制限
適正1果重確保・収量最大化草勢と日射量に見合った着果数維持
着果不足草勢過多・栄養生長優先・乱形果ホルモン処理・着果促進で補完
大玉トマトの目安:1〜3段目は3果、4段目以降は3〜4果。下段の着果を絞ることで中段以降の着果が安定し長期的に増収する。
② 確実な授粉・着果——シンクを作る
  • マルハナバチによる自然授粉が最高品質。適温(15〜28℃)管理が前提。バイトマーク(花粉採取痕)で活動を確認
  • ホルモン処理:高温期・低温期は必要。各花房3〜4花開花時に処理。高温期は2〜3日ごと、低温期は4〜5日ごとが目安
  • 重複処理は空洞果の主因。処理は朝の涼しい時間帯(25℃以下)に生長点にかからないよう実施
  • 処理が早すぎると花抜けが悪くなり灰色かび病の感染源になる
③ 果実発育ステージの把握——シンク強度の変化を読む
発育ステージシンク強度管理ポイント
開花〜10日(細胞分裂期)低い低温・水分ストレスは子室数減少を招く
10〜35日(細胞肥大期)最大CO₂・水分・温度の三拍子を揃える時期
35日〜収穫(成熟期)低下過熟前収穫でシンクを終わらせ次段に産物を回す
厳寒期(11〜1月)は細胞分裂期の温度不足に特に注意。この時期の低温は子室数を減らし空洞果の素因になる。最低温度管理が果実品質の土台を作る。

シンク・ソースバランスの診断と修正

シンク不足(ソース過多)のサイン

  • 茎が太くなりすぎる(過栄養生長)
  • 節間が伸びすぎる
  • 花落ちが多い・着果率が低い
  • 乱形果・めがね茎の発生
対処:摘果を減らす・ホルモン処理で着果強化・夜温を下げて生殖生長へ誘導

シンク過多(ソース不足)のサイン

  • 果実が小玉になる
  • 空洞果が増える
  • 葉が小さくなる・上位葉が黄化
  • 生長点が細く弱くなる
対処:摘果を増やす・CO₂施用強化・給液量増加で根のソース活性を上げる