STEP 1 — 直播に適した圃場の選定
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直播の成否は圃場選定で半分決まる
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直播は移植のような育苗の保護がなく、種子が圃場の環境に直接さらされる。土壌条件が出芽率を大きく左右するため、適地の選定が最重要となる。
適した圃場:黒ボク土・砕土率が高い・雑草が少ない
耕うんで土が細かくなり保水性も高い黒ボク土が最適。雑草の発生が少ない(圃場の埋土種子が少ない)ことも重要な条件。
避けたい圃場①:砂質土
水分保持力が弱く乾燥しやすい。播種直後の除草剤による薬害も起こりやすい。
避けたい圃場②:細かく砕土できない圃場
土塊が大きいと除草剤の効果が低く、種子と土が密着できず出芽率が低下する。
導入前に圃場状態を確認
砂土や細かく砕土できない圃場では、本技術を導入しても移植並みの収量を得られていない事例が多い。導入を判断する前に必ず圃場状態を確認する。
🔑 直播に向く圃場の3条件:「黒ボク土(砕土率が高い)」「雑草が少ない」。1つでも欠けると移植並みの収量確保は難しくなる。
STEP 2 — 砕土・土壌pHの調整
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細かい砕土とpH 6.5
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砕土の良し悪しは、除草剤の効果と種子の出芽率の両方に直結する。播種前の土づくりを丁寧に行う。
表層を細かく砕土する
土塊が大きいと除草剤が効かず、種子と土が密着せず出芽率が低下する。直播機の耕うん部(アップカットロータリ)は一般ロータリより土を細かく砕けるが、元の圃場の砕土性も重要。
pHは6.5程度に調整
直播栽培ではpH 6.5程度が望ましい。石灰資材は反応速度を考慮し、播種時に目標pHとなるよう逆算して施用する。
土壌分析で有効態リン酸を把握
作付け前に土壌分析を行い、pHと有効態リン酸量を確認する。有効態リン酸が少ない圃場(おおよそ50 mg/100g未満)では、直播機のリン酸直下施肥の効果が大きい。
💡 リン酸が少ない圃場ほど有利:有効態リン酸が少ない黒ボク土の圃場では、溝畝播種+リン酸直下施肥による増収効果が顕著に表れる(→ 直播機・核心技術ページ参照)。
STEP 3 — 出芽を左右する4つの要因
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要因①:土壌水分と鎮圧
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タマネギ種子は吸水力が弱く、種子周辺の土が適湿であることが出芽の前提となる。
適湿の目安
土を握ったときに手に湿り気を感じる程度。
鎮圧を確実に行う
鎮圧が弱いと種子が土と密着せず、土が細かく適湿であっても吸水できない。土塊が大きい場合はなおさら。確実な鎮圧が必須。
過湿は禁物
過湿は湿害に加え、播種直後の除草剤による薬害の原因にもなる。
⚠ 鎮圧は直播機の駆動輪で行う
播種機の接地輪(駆動輪)が確実に回転し、適正な溝深さになっているか試運転で確認する。下げ過ぎると畝が立たなくなるため注意。
播種機の接地輪(駆動輪)が確実に回転し、適正な溝深さになっているか試運転で確認する。下げ過ぎると畝が立たなくなるため注意。
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要因②:地温
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発芽適温は15〜25℃
適温との温度差が大きいほど出芽が遅くなり、出芽率も低下する。
高温では薬害も発生
高温時は播種直後の除草剤による薬害が発生しやすくなる。
暦より天気予報を優先
暦の上では播種適期でも、適温範囲外の高温・低温が続く場合がある。播種前に気温・降雨を天気予報で確認する。
⚠ 猛暑・豪雨予報のときは播種日をずらす
気温30℃以上が続く、または播種直後に局地的豪雨が予想される場合は、出芽率・初期生育が大きく低下する。播種計画は天気予報を確認して立てる。
気温30℃以上が続く、または播種直後に局地的豪雨が予想される場合は、出芽率・初期生育が大きく低下する。播種計画は天気予報を確認して立てる。
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要因③:土質
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黒ボク土
耕うんによって土が細かくなり、保水性も高い。直播に最も適した土壌。
砂質土
水分保持力が弱く乾燥しやすい。播種直後の除草剤による薬害が起きる可能性が高い。
シルト・粘土が多い圃場
豪雨後に圃場表面に硬い層(クラスト)ができ、出芽を阻害することがある。
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要因④:播種深さ
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適深は2cm程度
砕土がしっかりできている圃場では、播種深さ2 cm程度が適している。
深すぎると
2cmより深くなると、出芽が遅く出芽率も低下する。
浅すぎると
播種直後の除草剤による薬害や乾燥害が起こりやすい。
粗大土塊に注意
砕土が不十分で土塊が大きいと、播種深さを2cmに設定しても土塊の隙間に種子が落ちて深くなり、出芽率が低下する。
🔑 4要因はセットで効く:「適湿」「確実な鎮圧」「適温」「2cmの播種深さ」が揃って初めて、移植に近い安定した出芽が得られる。
STEP 4 — 播種量の設計
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目標栽植本数の1.2倍を播種する
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直播では出芽しない種子が一定数生じる前提で、播種量を多めに設計する。
出芽率の前提は8割
種子の販売会社が保証している発芽率と病虫害を考慮し、播種した種子の8割が出芽すると想定する。
目標の1.2倍を播種
目標とする栽植本数より1.2 倍程度多く播種する。
間引きは不要
直播栽培では間引きの必要はない。
💡 欠株(欠粒)にも注意:欠粒は直播機の振動やホッパー内の種子残量が少ないことで発生しやすい。圃場の大きな礫や速すぎる作業速度が原因になる(→ 直播機・核心技術ページ)。
現場の判断ポイント
⚡ こんな時どうする? — 圃場準備・出芽のトラブル
もし
高温(30℃以上)や乾燥が続く予報のとき
無理に播種せず、適温・適湿になるタイミングを待つ。暦の播種適期より天気予報を優先して播種日を決める。
無理に播種せず、適温・適湿になるタイミングを待つ。暦の播種適期より天気予報を優先して播種日を決める。
もし
播種直後に豪雨が予想されるとき
局地的豪雨は溝を埋めて出芽を阻害する。豪雨予報のときは播種日をずらす。潅水を行う場合も溝が埋まらない水量にとどめる。
局地的豪雨は溝を埋めて出芽を阻害する。豪雨予報のときは播種日をずらす。潅水を行う場合も溝が埋まらない水量にとどめる。
もし
圃場が砂質土のとき
乾燥しやすく除草剤の薬害も出やすい。潅水の準備をし、除草剤は薬量・処理を慎重に判断する。
乾燥しやすく除草剤の薬害も出やすい。潅水の準備をし、除草剤は薬量・処理を慎重に判断する。
もし
砕土が不十分で土塊が大きいとき
出芽率も除草剤の効果も低下する。耕うんをやり直して砕土率を高めてから播種する。
出芽率も除草剤の効果も低下する。耕うんをやり直して砕土率を高めてから播種する。
作業チェックリスト
🔵 圃場選定・準備(播種前)の確認
黒ボク土・砕土良好・雑草が少ない圃場を選定した
土壌分析を行い、pHを6.5程度に調整した
有効態リン酸量を把握した(少ない圃場はリン酸直下施肥が有効)
砂質土・粗大土塊の圃場でないか確認した(移植並み収量が難しい)
🟢 播種直前の確認
種子周辺が適湿(握って湿り気を感じる程度)であることを確認した
天気予報で高温・低温・豪雨がないか確認した
播種深さを2cm程度に設定した
目標栽植本数の1.2倍の播種量を準備した
🟠 播種直後の確認
鎮圧が確実に行われ、種子と土が密着していることを確認した
播種直後の除草剤・粒剤散布を計画どおり実施した