推奨品種
5 品種
スパート 他
種子の形態
コート種子
播種間隔が揃う
播種時期
移植+約1週
遅らせる
暖地の播種適期
10月上中旬
都城・スパート例
播種量
1.2 倍
目標栽植本数比
1品種・播種時期 2圃場準備・出芽 3直播機・核心技術 4病害虫防除 5雑草・中耕
🌿STEP 1 — 品種の選定
1

試験で多収だった推奨品種

コート種子で選ぶ

直播の試験で収量が高かった品種をもとに選ぶ。移植栽培で使い慣れた品種がコート種子で販売されていれば、それを優先する。

🌿
推奨品種
スパート・ターザン・ネオアース・ソニック・もみじ3号。これまでの直播試験で収量が高かった品種。
🔄
移植で使う品種を活かす
移植栽培で使っている品種がコート種子として販売されていれば、その品種を使う。
🔁
コート種子が無い場合
使いたい品種にコート種子が無い場合は、上記の推奨品種のうち播種時期(早晩性)が近いもののコート種子を使う。
🔑 移植の品種知識が活きる:ターザン・ネオアースは秋まき移植でも南東北向けの品種、もみじ3号は東北全域対応の基準品種。移植で蓄積した品種選定の経験をそのまま活かせる。
2

避けたい品種・注意する品種

⚠ 極早生品種は非推奨
極早生品種(アリオン・スーパーアップ 等)
播種適期が夏期になり、高温や豪雨(台風・ゲリラ豪雨)に当たる可能性が高い。直播での利用は推奨されない。
晩生品種(もみじ3号・ケルたま 等)
収穫時期に降雨が多くなる。移植栽培と同様に、べと病など病害の防除を徹底する必要がある。
⚠ 極早生品種は夏播きの高温・豪雨リスクが大きい
直播では播種期の気象が出芽率に直結するため、夏に播種適期がくる極早生品種は避ける。
🌰STEP 2 — コート種子の活用
3

直播ではコート種子の利用を推奨

ベルト式播種機
🌰
コート種子とは
粘土等で種子を包み、形を球状に成形した種子。
利点
播種機で播種したときに、播種間隔の揃いが良くなる。
💴
コスト
コート種子は高価。ただし直播では播種の揃いが収量・作業性に効くため、利用が推奨される。
💡 直播機はコート種子前提:直播機のベルト式播種機は、コート種子の使用を前提に播種間隔が揃うよう設計されている。
📅STEP 3 — 播種時期の設定
4

移植の播種日より約1週間遅らせる

★ 抽苔・分球を防ぐ

直播の播種時期は、地域で推奨されている移植栽培の作型を基準に決める。

📅
基準は移植の作型
地域で推奨されている移植栽培の播種日を基準にする。
約1週間遅らせる
直播の播種は移植の播種日より約1週間程度遅らせる(地域・品種・気象条件で変わる)。温暖な地域では1か月程度遅らせて大丈夫な場合もある。
🌡
なぜ遅らせるのか
移植は定植後、活着するまで成長が止まる。一方、直播は出芽してから冬になるまで止まらず伸び続ける。移植と同時期に播くと生育が進みすぎ、抽苔・分球が発生しやすい。
📍
暖地の例
宮崎県都城市で「スパート」を栽培する場合、移植栽培の播種は9月中旬だが、直播栽培の播種適期は10月上〜中旬になる。
⚠ 移植と同じ時期に播かない
直播を移植と同時期に播くと、越冬までに生育が進みすぎて抽苔(とう立ち)・分球のリスクが高まる。
5

積算温度からの逆算

より精密に決めたいとき

より精密に播種時期を決めたい場合は、収穫(倒伏)日から積算温度で逆算する。

📈
球重・展開葉数・積算温度の関係
球重は倒伏日(収穫日)までの展開葉数と相関が高い。展開葉数は播種からの積算温度(日平均気温3.5〜23.0℃の積算)と相関し、直線的に増加する。
🗓
倒伏日は日長で決まる
各品種の倒伏時期は日長によって決まり、日長は地域でほぼ決まる。そこから逆算して大まかな播種時期を算出できる。
📍
逆算の例
神奈川県茅ヶ崎市の「ターザン」では、倒伏までに移植と同じ葉数 約17枚に達するのに積算温度 3029℃・日が必要。倒伏は6月1日と推定され、気象庁の日平均気温から播種日は前年9月26日と求められる。
🤔現場の判断ポイント
⚡ こんな時どうする? — 品種・播種時期の判断
もし
使いたい品種にコート種子が無いとき
推奨品種(スパート・ターザン・ネオアース・ソニック・もみじ3号)のうち、早晩性が近いもののコート種子を選ぶ。
もし
少しでも早く収穫したいとき
早生品種を選ぶ。ただし極早生品種は夏播きの高温・豪雨リスクが大きいため避ける。
もし
温暖な地域で栽培するとき
移植より1か月程度まで播種を遅らせられる場合がある。地域の指導機関に適期を確認する。
もし
晩生品種を使うとき
収穫期の降雨で病害が出やすい。べと病などの防除を移植栽培と同様に徹底する。
作業チェックリスト
🔵 品種・種子の準備
直播の推奨品種(スパート・ターザン・ネオアース・ソニック・もみじ3号 等)から選定した
コート種子を確保した
極早生品種を避け、栽培地域に合う早晩性の品種を選んだ
🟢 播種時期の設定
地域の移植の播種日より約1週間遅らせて播種時期を設定した
必要に応じて積算温度・倒伏日から播種時期を逆算した
🟠 播種量
目標栽植本数の1.2倍の播種量を準備した(→ 圃場準備・出芽ページ参照)