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⑤ 果実品質管理

糖度・食味設計——EC管理と収量のトレードオフ

高EC管理は糖度向上に有効だが、収量(1果重・着果数)とのトレードオフがある。市場ニーズと収量目標に応じてどこのバランスを取るかを事前に設計することが高付加価値栽培の核心。

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糖度(Brix値)に影響する栽培因子

因子糖度への影響収量への影響
給液ECを高める浸透圧↑→果実内糖分濃縮→Brix上昇果実サイズ縮小・総収量減の傾向
水分ストレスを与える蒸散促進→果実内濃縮→食味向上過度なストレスは裂果・収量低下リスク
CO₂施用光合成産物増加→糖分供給増1果重増加・収量増加(相乗効果)
日射量を高める光合成産物の蓄積が増加収量・品質ともに向上
収穫タイミングを遅らせる熟度が上がりBrix上昇日持ち性が低下。過熟は割果リスク
愛知農試実証:高EC区(EC3.0 dS/m程度)では果実糖度が高く推移した。品質重視の場合、収穫期に向けてECをやや高めに管理することも有効な戦略。

収量vs品質のトレードオフ戦略

高収量戦略

  • EC給液ECを標準(2.0〜2.5)に保ち、1果重・着果数を最大化
  • 十分な潅水で果実肥大を促進
  • 大量出荷・業務用・加工用市場向き

高品質(高糖度)戦略

  • EC収穫2〜4週前からECを2.5〜3.5に引き上げ糖分を濃縮
  • 軽度の水分ストレスで食味・硬さ・日持ちを向上
  • 高単価市場・直売・贈答用向き
高EC管理を長期間続けると尻腐れ果が増加するリスクがある。ECを上げる前に潅水管理を安定させ、Ca吸収を確保することが前提。