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③ 養水分管理

潅水タイミング——日射連動・少量多かん水

「少量多かん水」で土壌水分の乾湿差を小さくすることが裂果・尻腐れ・生育の波を防ぐ根本原則。日射量に連動した給液制御が高収量栽培の実現手段。

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日射連動給液制御の考え方

トマトの蒸散量は日射量とほぼ比例する。日射積算量に連動して給液回数・量を自動制御することで、植物の蒸散ペースに合わせた水分補給ができる。

制御方式内容特徴
タイマー制御一定時間ごとに給液簡単・低コスト。天候変動への対応が難しい
日射連動制御積算日射量が一定値に達したら給液蒸散量と給液量が連動。曇天日は自動的に給液量が減る
排液流量制御排液量を測定して給液量を調整培地内水分をより精密に管理。ロックウール・ヤシ殻培地に対応
施設トマト栽培の必要水量は10,000 m³/ha(畑栽培の約2倍)。水分要求量は移植から結実までが高く、着果期初期にピークを迎える。

季節別の潅水管理

季節・状況給液方針注意点
定植直後〜活着期少量に抑え根張りを促進萎れない程度に控えめにすることで根が水を求めて伸張する
厳寒期(11〜2月)日射少→蒸散少→給液量を減らすタイマー制御のままだと過剰給液になりやすい。日射連動制御が有効
春(3〜4月)日射急増→蒸散急増→積極的に増量厳寒期の設定のまま放置するとCa・水分不足で障害果が急増
晴天後の曇天給液量を減らす急な日射低下で蒸散が減るのに給液量が多いと根域が過湿になる
曇天後の晴天段階的に給液量を増やすいきなり大量給液すると乾湿差が大きくなり裂果・尻腐れリスク増大

少量多かん水の実践

少量多かん水の効果

  • 土壌水分の乾湿差を小さくすることで裂果リスクを大幅低減
  • Ca安定した水分吸収でCa・その他養分の吸収が均一化
  • 根域の過湿・過乾燥を防ぎ根の活性を維持
  • 生育の「波」がなくなり、収穫量が安定化

実施のポイント

  • 1回の給液量を少なく(5〜10%程度)し、回数を多く(日中10〜20回)
  • 初回給液:日の出後1〜2時間後。最終給液:日没1〜2時間前
  • 夜間は給液しない。夜間の過剰水分は根腐れ・病害リスクになる
  • 水分不足すると気孔が閉じ→光合成低下→収量・品質が同時に悪化

果実肥大期の水分ストレスと品質のトレードオフ

果実肥大期〜成熟期に軽度の水分ストレスを与えると、果実の硬さ・糖度・食味・貯蔵性が向上する効果がある(ICL Growing Solutions)。ただし果実のサイズは小さくなる傾向がある。

収量重視なら水分を十分に供給し1果重を最大化。品質(糖度・食味)重視なら軽度の水分ストレスも選択肢になる。目的に応じて管理方針を決める。