ハイワイヤー栽培の仕組みとメリット
ハイワイヤー誘引とは
軒高4〜5m以上の高軒高ハウスで、高い位置に張ったワイヤーに誘引紐を掛け、主茎を上方へ誘引しながら同時に茎全体を斜め下へ「つる下ろし」していく方式。主茎長が10m以上になっても継続的に収穫できる。
主なメリット
- 光株全体の採光性が向上。冬期の栽培も行いやすく周年安定栽培が可能
- 作収穫・摘葉作業を腰の高さで行えるため軽労化・作業能率が大幅向上
- 質空洞果の減少・糖度の向上など品質が向上する(栃木農試研究)
- 期高軒高ハウス導入事例:収穫始期が70日程度前進し収量が2倍以上に
ハイワイヤー栽培の導入には高い軒高の施設が必要。従来型(軒高3m未満)でも誘引方法を工夫することで一定の効果が得られるが、多収化には軒高4〜5m以上が推奨される。
LAI(葉面積指数)管理——光利用効率の最大化
LAIとは
LAI(Leaf Area Index)= 葉面積(㎡)÷ 栽植面積(㎡)。群落がどれだけの葉面積を持つかを示す指標。LAIが高いほど光を多く受け取れるが、高すぎると上位葉が下位葉を遮蔽して逆効果になる。
3〜4
トマトの最適LAI
入射光の約90%を利用
2前後
厳寒期の推奨LAI
低日射期は低めに抑制
強摘葉注意
LAI低下しすぎ
1月以降の収量が減少
愛知農試の摘葉試験:強摘葉区では他区と比べて1月以降の収量が少ない傾向。作業性は向上するが、過剰摘葉は収量低下を招く。LAIと作業性のバランスが重要。
基部側枝葉の活用(農研機構の新技術)
ハイワイヤー栽培が進むと、根に近い下位の葉がなくなり、成熟前の果実付近の葉が最もソースとして機能する。根への光合成産物の供給が不足すると根の活性が低下する。
- 技株元近くに出た旺盛な側枝を1本残し、着花節直下で摘心して5枚程度の葉を残す(基部側枝葉)
- 更1〜2ヶ月を目安に新しい基部側枝に更新する
- 効根への光合成産物の供給が補われ、果実収量と糖度が向上する(農研機構)
季節別の誘引・仕立て管理
| 時期 | 誘引の方針 | ポイント |
|---|---|---|
| 定植〜活着期 | 垂直に立てて誘引 | 根張りを優先。誘引紐は余裕を持たせる |
| 厳寒期(11〜2月) | 密度を高めに、LAIを保持 | 過剰摘葉を避け光合成葉を確保 |
| 暖候期(3〜5月) | 斜め誘引でLAIを調整 | 草勢過多時は誘引角度を変えて光透過改善 |
| 高温期(6〜7月) | 斜め誘引で裂果防止 | 果実を直射日光から守る葉の配置を意識 |