STEP 1 — 圃場の選定
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適地の選び方と輪作計画
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東北地域では生育期間後半が梅雨と重なり降水量が多くなるため、排水性の良い圃場の選択が最優先。水田転換畑では特に注意が必要。
推奨:麦・大豆・トウモロコシ転換後の圃場
水田→畑地転換後に1〜2作の畑作物を挟んでからタマネギを作付けする。砕土性・排水性が改善された状態が理想。
避けるべき圃場
水田転換初年目・排水不良地。砕土率の低下による移植精度低下、湿害・干害で収量が大きく落ちる。
圃場の分散を避ける
防除作業・収穫作業の移動ロスを最小化するため、近接した圃場を選択する。大規模経営ほど圃場間移動が収穫適期を左右する。
🔑 輪作体系の基本原則:水田に戻さず、畑作物(麦・大豆)+タマネギを組み合わせた畑輪作体系を目指す。乾腐病など土壌病害の蓄積防止にもなる。
STEP 2 — 排水対策
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地表排水と地下排水の組み合わせ
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東北地域、特に北部や日本海側では冬に積雪し、春先は融雪水で圃場が滞水しやすい。地表排水と地下排水を組み合わせた総合対策が必要。
①暗渠施工(地下排水)
恒久的な排水改善が最も効果的。施工前に排水路との接続を確認する。
②サブソイラ施工(心土破砕)
暗渠と組み合わせて透水性を改善。作付け前に実施し土壌物理性を高める。農研機構「カットシリーズ」等の排水改良機も参考にする。
③畝立て栽培+額縁明渠(地表排水)
畝立てで根域を地表面に上げ過湿を防ぐ。額縁明渠で圃場周囲に明渠を設け、畝間の端を排水路に接続することで表面排水を促す。
💡 参考資料:農研機構「カットシリーズを用いた営農排水施工技術標準作業手順書」(https://sop.naro.go.jp/document/detail/13)で詳細な施工方法を確認できる。
STEP 3 — 土壌pH調整と圃場準備
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pH 6.0〜6.5 への調整
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作付け前に土壌分析を実施
前年収穫後または春に土壌分析を行い、現在のpHと必要な石灰施用量を把握する。JAや農業普及センターに依頼できる。
石灰・苦土をバランスよく施用
地域の土壌改良基準に従い、石灰・苦土等をバランス良く施用。資材の種類によって反応速度が異なるため、定植時に目標pHになるよう逆算して施用時期を決める。
堆肥の施用
都道府県施肥基準等に従い適切な量の堆肥を施用。土壌物理性の改善に効果的。農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/ も参照。
⚠ 極端な生育不良はまずpHを疑う
圃場で生育不良が発生した場合、土壌pHが範囲外になっている可能性が高い。改植前に必ずpH測定を実施する。
圃場で生育不良が発生した場合、土壌pHが範囲外になっている可能性が高い。改植前に必ずpH測定を実施する。
💡 秋田・青森など積雪の多い地域:定植前の圃場準備を確保するため、融雪剤を使って雪解けを促進する。準備時間が少ないと施肥・耕起・畝立てが定植適期に間に合わない。
STEP 4 — 施肥体系(基肥+2回追肥)
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基肥(耕起前)
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秋まきは在圃期間が長く、肥料成分の流亡対策として追肥体系が標準。基肥は窒素・加里を総施肥量の1/2、りん酸は全量を施用する。
| 施用区分 | 施用時期 | 窒素(N) | りん酸(P) | 加里(K) |
|---|---|---|---|---|
| 基 肥 | 耕起前 | 10 kg | 20 kg | 10 kg |
| 追肥 ① | 3月上旬(融雪後) | 5 kg | — | 5 kg |
| 追肥 ② | 3月下旬(2週間後) | 5 kg | — | 5 kg |
| 合 計 | 20 kg | 20 kg | 20 kg | |
北東北・日本海側は元肥を手厚く
降雪量が多く寒さの厳しい地域では、定植後越冬前に生育を十分に進める必要がある。元肥として速効性肥料を窒素10kg・りん酸20kg・加里10kg/10a施用することで生育を確保する。
りん酸は全量元肥
タマネギの根系は細根の発達に劣り、土壌中で移動の少ないりん酸は特に不足しやすい。追肥では補えないため全量を元肥として施用する。
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追肥(2回体系)と作業タイミング
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追肥は株が目に見えて生育し始めるよりも前に実施することが重要。生育再開後では効果が遅れる。
追肥1回目:融雪直後 or 2月下旬(非積雪地域)
積雪地域:融雪して圃場作業が可能になったタイミング(圃場に入れるようになったらすぐ)
非積雪地域:気温が最も低下する2月下旬が目安
施用量:窒素5kg・加里5kg / 10a
非積雪地域:気温が最も低下する2月下旬が目安
施用量:窒素5kg・加里5kg / 10a
追肥2回目:1回目から2週間後
同量(窒素5kg・加里5kg / 10a)を施用。この後に中耕・機械除草(カルチ除草)を実施すると雑草防除効果も高まる。
🔑 追肥と除草剤散布のセット運用:追肥2回目のタイミング(4月上旬)で除草剤(ゴーゴーサン乳剤)を散布する。1回の圃場作業で追肥・中耕・除草剤散布をまとめて行うことで作業効率を高める。
⚠ 追肥の遅れは収量低下に直結
球が肥大し始める前に養分が圃場に存在していることが重要。生育再開後に追肥しても肥料の効きが遅れ、増収効果が減少する。
球が肥大し始める前に養分が圃場に存在していることが重要。生育再開後に追肥しても肥料の効きが遅れ、増収効果が減少する。
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耕起・畝立て(定植直前)
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砕土率を高める丁寧な耕起
砕土率が低いと移植精度が下がり欠株が増える。ゆっくり丁寧に耕起し、施肥ムラが生じないよう均一に混和する。
畝幅140〜150cm・畝高20cm
4条植えの標準栽植様式に合わせて畝立てをする。大型作業機の作業効率を考慮して枕地(5m程度)と防除畝を設定する。
畝間を明渠・排水路に接続
秋まき栽培では春先の融雪水対策として、畝間の端を明渠等排水路につなぎ地表面からの排水を促す。
現場の判断ポイント
⚡ こんな時どうする? — 圃場準備・施肥のトラブル
もし
春先に圃場が滞水している場合
速やかに畝間の排水溝を掘って排水路に接続する。追肥タイミングが遅れないよう排水を優先する。今後は暗渠施工を検討する。
速やかに畝間の排水溝を掘って排水路に接続する。追肥タイミングが遅れないよう排水を優先する。今後は暗渠施工を検討する。
もし
pH測定ができなかった場合
前作の生育状況で判断する。前作に生育不良があった場合はpH低下を疑い、石灰資材を標準施用量(消石灰100〜200kg/10a程度)施用してから耕起する。
前作の生育状況で判断する。前作に生育不良があった場合はpH低下を疑い、石灰資材を標準施用量(消石灰100〜200kg/10a程度)施用してから耕起する。
もし
追肥1回目を積雪で実施できない場合
雪が解け圃場に入れるようになり次第すぐに実施する。1回目と2回目の間隔は2週間を保つ。遅れた分は球の肥大前に追いつくよう早め早めに対応する。
雪が解け圃場に入れるようになり次第すぐに実施する。1回目と2回目の間隔は2週間を保つ。遅れた分は球の肥大前に追いつくよう早め早めに対応する。
もし
乾腐病発生圃場での再作付けを検討している場合
乾腐病が一度発生した圃場では継続して被害が出やすい。輪作年数を延ばし(最低3年以上)、抵抗性品種の利用と定植前のベンレート水和剤かん注処理を徹底する。
乾腐病が一度発生した圃場では継続して被害が出やすい。輪作年数を延ばし(最低3年以上)、抵抗性品種の利用と定植前のベンレート水和剤かん注処理を徹底する。
作業チェックリスト
🔵 定植前(秋・前年)の確認
圃場の排水性を確認し、不良の場合は暗渠・サブソイラ・明渠施工を計画した
土壌分析を実施し、目標pH(6.0〜6.5)に向けた石灰資材施用量を決定した
水田転換初年目・排水不良地を避け、適切な圃場を選定した
石灰資材を定植2〜3ヶ月前までに施用し、定植時にpHが6.0〜6.5になるよう段取りした
🟢 定植直前(耕起・畝立て)の確認
基肥(N:10・P:20・K:10 kg/10a)を均一に散布した(速効性肥料)
耕起をゆっくり丁寧に行い、砕土率を高めた
畝幅140〜150cm・畝高20cmで畝立てを実施した
枕地(5m程度)と防除畝の位置を設定した
積雪地域では融雪剤を使い、作業期間を確保した
🟠 越冬後(追肥)の確認
追肥1回目:融雪直後または2月下旬(株が生育再開するより前)に実施した
追肥2回目:1回目から2週間後(N:5・K:5 kg/10a)を実施した
追肥2回目に合わせて機械除草(中耕)と除草剤散布を実施した