秋まき 除草体系タイムライン(盛岡モデル)
🌿 3剤体系による年間抑草スケジュール(岩手県盛岡市想定)
STEP 1 — 雑草防除の基本原則
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土壌処理型除草剤を主体とした「常時抑草」体制
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秋まきは定植時期(10月)の気温が低下していく時期のため、越冬にかけての雑草発生量は少ない。また収穫が6月下旬〜7月初旬と早く、雑草の発生ピーク(真夏)を前に収穫が終わる。春まきに比べ管理しやすいが、手を抜くと機械収穫に支障をきたす。
目標:定植〜収穫まで「常に雑草が少ない状態」を維持
土壌処理型除草剤で雑草の「出芽」自体を抑制。効果が切れる前に次の剤を重ねて、抑草効果が途切れない状態を作る。
機械除草(中耕・カルチ除草)を追肥と同時に実施
追肥2回目(4月上旬)に合わせて機械除草を実施すると効果倍増。土壌処理型除草剤の効果持続期間は散布後40日程度。
畝肩の雑草は収穫機の妨げになる
特に畝肩付近の雑草が収穫機に絡まり、機械収穫時の作業能率を大きく落とす。収穫前に必ず確認し、手取りや茎葉処理型除草剤で対処する。
栽培期間外も通年で雑草を管理する
収穫後の圃場を放置せず、耕起や除草剤散布により雑草の種子発生量を抑制する。次作の除草管理の手間を大幅に削減できる。
STEP 2 — 3回散布の詳細
1
グラメックス水和剤(シアナジン水和剤) — 定植後10月中下旬
定植後すぐ(雑草発生前)に処理。小さな実生にも効果があるため、全圃場定植してからまとめて散布しても問題ない。
散布条件:降雨後等、土壌が適度に湿っている状態を待って実施
土壌処理型除草剤は土壌が乾燥していると効果に劣る。定植時期は降雨が少ない場合もあるため、雨後の適湿状態を確認してから散布する。
散布後は土壌表面を攪拌しない
土壌処理型は地表面に処理剤の層を形成することで効果を発揮する。散布後の耕起・中耕は効果を著しく低下させるため行わない。
散布量
100 g/10a
希釈水量
100 L/10a
使用時期
収穫30日前まで
使用回数
1回以内
散布方法
定植活着後・雑草発生前
効果持続
約40〜50日
2
ゴーゴーサン乳剤(ペンディメタリン乳剤) — 追肥②合わせ4月上旬
追肥2回目(4月上旬)の作業に合わせて散布。機械除草(カルチ)の後に散布すると5月中旬まで抑草効果が続く。
散布前に発生済みの雑草を除去してから処理
土壌処理型のためすでに発生した雑草には効果がない。追肥・カルチ除草後に残った雑草は手取りまたは茎葉処理型除草剤で事前に処理してから散布する。
土壌乾燥時は効果に劣る
春先の乾燥した時期は効果が落ちることがある。散布後の降雨を期待するか、雨後の適湿状態で散布するのが理想。
散布量
500 mL/10a
希釈水量
100 L/10a
使用時期
収穫30日前まで
使用回数
1回以内
散布時期
雑草発生前
効果持続
〜5月中旬まで
💡 モーティブ乳剤(ジメテナミドP・ペンディメタリン)も選択肢:ゴーゴーサンの代替として使用可。収穫45日前まで使用可能(定植45日後まで)。1ha規模での複数圃場管理では両剤を使い分けることで収穫前日数の調整が可能。
3
ボクサー(プロスルホカルブ乳剤) — 5月中旬(収穫45日前)
収穫45日前までに散布する最後の土壌処理剤。雑草の発生前から発芽始めの散布が有効で、収穫前の抑草状態を確保する。
散布タイミングの重要性
収穫日から逆算して「45日前」を計算してから散布する。盛岡で収穫が7月中旬なら5月末〜6月初旬が上限。余裕をもって5月中旬に散布するのが安全。
散布方法:通路を含めて丁寧に全面散布
除草剤は通路部分も含めて丁寧に散布する。特に畝肩付近は念入りに処理し、収穫機への雑草の絡みつきを防止する。
散布量
400〜500 mL/10a
希釈水量
100 L/10a
使用時期
収穫45日前まで
使用回数
2回以内
散布条件
雑草発生前〜極小さい雑草
区分
雑草茎葉散布または全面土壌散布
STEP 3 — 補助的な防除手段
4
茎葉処理型除草剤(イネ科雑草・広葉雑草への補完)
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土壌処理型の効果が切れる時期や、土壌処理剤を散布する前に発生している雑草への補完として使用する。
イネ科雑草専用:ナブ乳剤(セトキシジム)
イネ科雑草3〜8葉期に散布。収穫14日前まで、2回以内。タマネギに薬害なし。
イネ科雑草専用:セレクト乳剤(クレトジム)
イネ科雑草3〜5葉期に散布。収穫21日前まで、3回以内。
広葉雑草:バサグラン液剤(ベンタゾンナトリウム塩)
移植後生葉4葉期まで。収穫30日前まで、1回。早春期の広葉雑草発生初期に使用。
早春期:アクチノールB乳剤(アイオキシニル)
早春期・雑草生育初期に全面散布または茎葉散布。収穫30日前まで、2回以内。
⚠ 茎葉処理剤を使う際の薬害回避4原則
① 散布濃度・水量を守る(重ねがけを避ける)
② 砂土での使用を避ける
③ 他剤や葉面散布肥料と混用せず単剤で散布する
④ 高温時(30℃超)の使用を避ける — 特に夏季の秋まき収穫期は注意
① 散布濃度・水量を守る(重ねがけを避ける)
② 砂土での使用を避ける
③ 他剤や葉面散布肥料と混用せず単剤で散布する
④ 高温時(30℃超)の使用を避ける — 特に夏季の秋まき収穫期は注意
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手取り除草・機械除草の活用
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カルチ除草(追肥②と同時)
3月〜4月上旬の追肥2回目と合わせて機械除草(中耕)を実施する。土を動かすことで雑草の根を切り、2回目の除草剤効果とも相乗する。
手取り除草:発生量の多い圃場や除草剤効果不良時
雑草発生量が多い圃場では手取り除草を追加する。特に2回目散布(4月上旬)前の発生した雑草は、土壌処理剤が効かないため手取りで事前に除去してから散布する。
東北地域のタマネギ圃場でよく見られる雑草
現場の判断ポイント
⚡ こんな時どうする? — 雑草防除のトラブル
もし
1回目散布後も雑草が繁茂してきた場合
土壌が乾燥した状態で散布した可能性が高い。速やかに茎葉処理型除草剤(雑草の種類に応じて)を散布し、土壌が適湿状態になったタイミングで2回目の土壌処理剤を前倒しで散布する。
土壌が乾燥した状態で散布した可能性が高い。速やかに茎葉処理型除草剤(雑草の種類に応じて)を散布し、土壌が適湿状態になったタイミングで2回目の土壌処理剤を前倒しで散布する。
もし
追肥②の時期に雑草がすでに大きくなっている場合
土壌処理型は効果がないため、先に手取りまたは茎葉処理型除草剤で雑草を処理してから土壌処理剤を散布する。雑草が残った状態で土壌処理剤を散布しても抑草効果は得られない。
土壌処理型は効果がないため、先に手取りまたは茎葉処理型除草剤で雑草を処理してから土壌処理剤を散布する。雑草が残った状態で土壌処理剤を散布しても抑草効果は得られない。
もし
収穫前に畝肩付近の雑草が多い場合
収穫45日前を過ぎていてボクサーが使えない場合は手取り除草を実施する。機械収穫では畝肩の雑草が最も絡まりやすいため、収穫前日までに必ず対処する。
収穫45日前を過ぎていてボクサーが使えない場合は手取り除草を実施する。機械収穫では畝肩の雑草が最も絡まりやすいため、収穫前日までに必ず対処する。
もし
初めて使う除草剤で薬害が心配な場合
農薬メーカー(販売メーカー)または農業改良普及センターに事前に相談する。初回使用時は試験的に一部圃場で使用して薬害の有無を確認してから全面散布する。
農薬メーカー(販売メーカー)または農業改良普及センターに事前に相談する。初回使用時は試験的に一部圃場で使用して薬害の有無を確認してから全面散布する。
作業チェックリスト
🔵 除草剤散布前の確認(全回共通)
東北地域のタマネギ栽培(秋まき移植栽培)に登録のある除草剤であることを確認した
収穫予定日から逆算し、「収穫前○日前まで」の使用時期制限内であることを確認した
土壌が適度な湿り気を持っているか確認した(乾燥時は散布を延期)
高温時(30℃超)は茎葉処理剤の薬害に注意した
🟢 各回散布の確認
1回目(10月中下旬):グラメックス水和剤 100g/10aを定植活着後、雑草発生前に散布した
追肥②(4月上旬)前にカルチ除草と残草の手取りを実施した
2回目(4月上旬):ゴーゴーサン乳剤 500mL/10aを雑草のない状態で散布した
3回目(5月中旬):ボクサー 400〜500mL/10aを収穫45日前までに散布した
通路・畝肩も含めて全面に均一に散布した
🟠 収穫前の最終確認
畝肩付近の雑草が収穫機の妨げになる量ではないか確認した
収穫後の圃場について耕起・除草剤散布による通年管理を計画した