STEP 1 — 定植作業
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定植タイミングと苗の状態確認
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秋まき栽培では育苗期間を短くして早めに定植することが越冬前の根張り確保に直結する。448穴セルトレイには根量に限界があり、苗を大きくして遅く植えても早く植えても「圃場に持ち込める根量」はほぼ変わらない。
定植適期の苗の状態
出葉数:3〜4葉期(3.5葉期が理想)
草丈:25cm(全自動移植機使用時は17cm程度に剪葉済み)
葉鞘径:4mm
草丈:25cm(全自動移植機使用時は17cm程度に剪葉済み)
葉鞘径:4mm
バインダー培土なら育苗40日から定植可能
通常は育苗50日程度で定植適期となるが、固化剤入りバインダー培土使用時は40日以降から定植可能。定植スケジュールが遅れそうな場合は前倒しを積極的に検討する。
🔑 短い育苗で早期定植が得策な理由
定植後は茎葉の生育に先立って根の再生が進む。早く定植するほど5℃で生育停止するまでの根の生育期間が長くなり、越冬中の欠株が減少する(2021年実証:10月1日定植が最も好成績、欠株率2.5%・7.5 t/10a)。
定植後は茎葉の生育に先立って根の再生が進む。早く定植するほど5℃で生育停止するまでの根の生育期間が長くなり、越冬中の欠株が減少する(2021年実証:10月1日定植が最も好成績、欠株率2.5%・7.5 t/10a)。
2
定植深さ — 一葉基部まで覆土
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正しい深さ:一番外側(古い)の葉の基部が土で覆われる深さ
葉鞘基部が土に埋まることで苗が固定され、根の再生が促進される。
深植えは厳禁:新しい葉の基部以上に土をかぶせない
新葉の基部を埋めると生長点が損傷し、その後の生育が著しく停滞する。特に全自動移植機での作業は深さ設定を毎回確認する。
栽植様式:畝幅140〜150cm・条間24cm・株間10〜12cm・4条植え
1ha = 22〜26万株(100m×100m、66畝を想定)
STEP 2 — 越冬前の生育管理(最重要)
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越冬前の目標:6葉目展開+根が十分に張った状態
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秋まき栽培の収量は越冬前の生育量に大きく左右される。出葉数が少ないと越冬中の枯死が増え、多いと翌春に抽台が発生する。どちらも大幅な減収要因となる。
大きすぎる(8葉〜)
🌸
抽台多発
商品価値なし
機械収穫の妨げ
機械収穫の妨げ
🎯
目標
6 葉
展開中
目標
6 葉
展開中
小さすぎる(4葉以下)
🥶
越冬枯死・小球
欠株増加
球重不足で減収
球重不足で減収
日平均気温5℃で生育が停止する
定植後から5℃に達するまでの期間に6葉目を展開させることが目標。この期間が1ヶ月以上確保されるよう早めに定植する。
地下部(根)の生育も重要
越冬に必要なのは地上部(茎葉)の出葉数だけでなく、根が十分に張った状態であること。定植後は茎葉より先に根が再生するため、早期定植ほど根の生育期間が長くなる。
STEP 3 — 越冬期の管理
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積雪前・融雪後の殺菌剤予防散布
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越冬期間は病害虫による被害が少ないが、べと病の卵胞子は土中で越冬し、翌春に感染源となる。積雪前と融雪後に銅剤を散布し、一次感染源を低減する。
積雪前(11月中旬):コサイド3000(1000倍)散布
株の傷口から侵入する病原菌を予防。降雪前の最後の散布タイミング。晴天日に実施する。
融雪後(3月〜4月上旬):コサイド3000(1000倍)散布
圃場に入れるようになったらすぐに実施。その後べと病の本格的な防除体系(4月以降)に移行する。
⚠ 越冬中のネキリムシ被害に注意
定植時期(10月)は温度が高く虫の活動が活発で、定植苗がネキリムシ類による食害を受けやすい。被害が予想される圃場ではガードベイトA(ペルメトリン)等を定植時に施用する。
定植時期(10月)は温度が高く虫の活動が活発で、定植苗がネキリムシ類による食害を受けやすい。被害が予想される圃場ではガードベイトA(ペルメトリン)等を定植時に施用する。
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抽台(トウ立ち)の発生と対応
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越冬前に生育が大きすぎた株(出葉数が多い株)では、越冬中の低温遭遇により生長点が花芽に分化し、初夏に抽台が発生する。
抽台株の影響
商品価値がなくなるだけでなく、機械収穫の妨げとなり圃場からの手作業での抜き取りが必要となる。10%の抽台率でも収量・作業ともに大きなロスとなる。
春の圃場巡回で早期発見
生育再開後の4〜5月に圃場を定期的に巡回し、抽台株を早期に発見する。機械収穫前(6月〜)に全て抜き取る作業計画を立てる。
根本的な対策は播種期の厳守
抽台は播種期が早すぎることで発生する。翌年以降は地域の播種適期(5〜7日の幅)を絶対に守る。品種の早晩性も確認する(早生品種ほど抽台しやすい)。
STEP 4 — 春の生育再開〜球肥大期
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生育再開後の管理ポイント
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積算気温130℃ごとに1葉展開
気温が上がるとともに急速に生育が進む。越冬後は追肥・除草・病害虫防除の作業が集中するため、作業計画を事前に整理しておく。
球肥大期(5〜6月)は病虫防除が核心
梅雨入りとともに病害虫の発生が増加する。球肥大期の防除を徹底することが最終収量を左右する。→ 詳しくは④病害虫防除ページを参照。
倒伏揃いの確認(収穫タイミングの目安)
80%の株が倒伏(倒伏揃期)してから約1週間後が根切りのタイミング。品種・年による半数倒伏日の差異を事前に把握しておく。
現場の判断ポイント
⚡ こんな時どうする?
もし
定植後に欠株(活着不良)が多い場合
定植直後に確認し、活着不良株は速やかに補植する。根鉢の状態が悪い(崩れている)場合は育苗方法と培土の見直しが必要。
定植直後に確認し、活着不良株は速やかに補植する。根鉢の状態が悪い(崩れている)場合は育苗方法と培土の見直しが必要。
もし
越冬前に生育が小さすぎる(4葉以下)場合
気温が5℃以下になる前に活着促進は難しいが、翌春の追肥を早めに実施し球肥大期の養分を充実させる。翌年は定植日を1〜2週間早めることを検討する。
気温が5℃以下になる前に活着促進は難しいが、翌春の追肥を早めに実施し球肥大期の養分を充実させる。翌年は定植日を1〜2週間早めることを検討する。
もし
越冬前に生育が大きすぎる(7〜8葉以上)場合
抽台発生のリスクが高い。翌年は播種日を3〜5日遅らせる。早生品種を使用している場合はより晩生の品種(もみじ3号→ケルたま等)への変更を検討する。
抽台発生のリスクが高い。翌年は播種日を3〜5日遅らせる。早生品種を使用している場合はより晩生の品種(もみじ3号→ケルたま等)への変更を検討する。
もし
春の生育再開が遅い(5月上旬でも生育が進まない)場合
土壌pHの問題、または圃場の排水不良による根の障害を疑う。土壌を掘り取り根の状態を確認する。黒褐色・悪臭を伴う根腐れは排水不良が原因のことが多い。
土壌pHの問題、または圃場の排水不良による根の障害を疑う。土壌を掘り取り根の状態を確認する。黒褐色・悪臭を伴う根腐れは排水不良が原因のことが多い。
作業チェックリスト
🔵 定植当日の確認
苗の出葉数が3〜4葉期(3.5葉期)で草丈17cm(剪葉済み)であることを確認した
根鉢の形成状態が良好(バインダー培土は固化しているか)を確認した
全自動移植機の定植深さ(一葉基部まで)を設定・確認した
定植直後に圃場全体の定植精度(欠株・深植え箇所)を確認した
定植後に除草剤(グラメックス水和剤)を速やかに散布する計画を立てた
🟢 越冬前(11月〜12月)の確認
越冬前の出葉数が6葉目展開中の状態になっているか圃場を巡回して確認した
積雪前(11月中旬)にコサイド3000(1000倍)を散布した
ネキリムシ被害の兆候がある場合、ガードベイトA等で対応した
🟠 融雪後(3月〜4月)の確認
融雪後すぐに圃場の排水状況を確認し、滞水部分は早急に対処した
融雪後にコサイド3000(1000倍)を散布した
追肥①(融雪直後)を株の生育が目に見えて始まる前に実施した
抽台株の発生状況を把握し、収穫前の抜き取り計画を立てた